アサヒグループホールディングス株式会社 2502

食料品 IFRS 健全性: S (83点)

データ取得日: 2026-05-24 | 過去14年分の財務データを掲載

AI 業績サマリー 生成: 2026-04-19 / claude-opus-4-6-v2
1. アサヒグループホールディングスは、売上高・利益ともに増加傾向にあり、財務健全性も高い水準を維持しているものの、ROEの改善と差別化戦略の明確化が課題です。

2. 直近売上高は2兆9,394億円、純利益は1,921億円と増収増益を達成しており、売上高は前年比+6.2%と微増、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比17.1%増と大きく伸長しています。営業CFも安定してプラスであり、キャッシュ創出力は高いと評価できます。自己資本比率は49.4%と標準的な水準ですが、ROEは7.5%と東証プライム基準の8%に届かず、低下傾向にある点が懸念されます。

3. 酒類、飲料、食品、薬品など多岐にわたる事業をグローバルに展開しており、日本、欧州、オセアニア、東南アジアを重点地域としています。プレミアム戦略の推進やノンアルコール・低アルコール飲料への投資強化を図る一方、リスクマネジメント体制を強化し、事業遂行を阻害するリスクの特定と対応に注力しています。

4. 営業利益率が改善傾向にあることはコスト管理の成果を示す一方で、ROEの低さは経営効率の改善余地を示唆しています。今後は、グローバル5ブランドの強化や新規領域への投資による事業ポートフォリオの最適化が、持続的な成長の鍵となるでしょう。
English version
Asahi Group Holdings demonstrates increasing sales and profits with maintained high financial stability; however, ROE improvement and clearer differentiation strategy remain challenges. Recent revenue of 2,939.4 billion and net profit of 192.1 billion reflect higher revenue and earnings, with revenue up 6.2% year-over-year and profit attributable to parent company owners increasing 17.1% from prior year. Operating cash flow remains stable and positive, demonstrating strong cash generation capability. Equity ratio of 49.4% is at standard levels, but ROE of 7.5% falls short of the Tokyo Stock Exchange Prime standard of 8%, with a concerning downward trend. The company operates diverse businesses globally across alcoholic beverages, beverages, food, and pharmaceuticals, with emphasis on Japan, Europe, Oceania, and Southeast Asia. While pursuing premium strategy and strengthening non-alcoholic and low-alcohol beverage investment, the company is reinforcing risk management systems to identify and address risks impeding business execution. Improving operating margin trend demonstrates cost management effectiveness, while low ROE suggests room for operational efficiency improvement. Going forward, strengthening global five brands and optimizing the business portfolio through new area investment will be key to sustaining growth.

※ EDINET DB API が生成・提供する AI要約です。投資判断は必ず一次情報(有価証券報告書・決算短信)をご確認ください。

業績推移

業績予想 当期通期予想(2026-03-10 発表)

項目 予想値 直近通期実績(2024年度) 増減
売上高 29,500億円 29,394億円 +0.4%
営業利益 2,550億円 2,691億円 -5.2%
純利益 1,675億円 1,921億円 -12.8%
EPS 112.74円 126.66円 -11.0%
1株配当 (DPS) 52.00円 93.00円 -44.1%
予想PER* 14.6倍 13.1倍 (実績)
予想配当利回り* 3.15% 5.60% (実績)

※ 業績予想は企業発表値です。四半期決算時点の通期見通しのため、期中で修正される可能性があります。 * 印は当サイトが PBR×BPS から推定した株価をもとに独自計算した参考指標です。

財務指標(2024年度)

主要指標

ROE 7.5%
PER 13.1倍
PBR 0.93倍
配当利回り 5.60%
配当性向 73.4%

収益性

ROA 3.6%
売上総利益率 37.3%
営業利益率 9.2%
純利益率 6.5%

成長性

前年比 3Y CAGR 5Y CAGR
売上高 +6.2% +9.5% +7.1%
営業利益 +9.8%
純利益 +17.1% +7.8%
EPS +17.3% +7.8%

安全性

自己資本比率 49.4%
流動比率 56.8%
D/Eレシオ 0.48倍

派生指標 参考

時価総額* 24,820億円
ネットキャッシュ* ▲11,952億円
Net Debt/EBITDA* 2.80倍
EV/EBITDA* 8.6倍
FCFマージン* 9.7%
DOE* 5.24%

* 印は当サイトが EDINET から取得した財務データをもとに独自に計算した参考指標です。 EDINETから直接取得した数値ではないため、実際の市場値や各種データソースの公表値と乖離する場合があります。 投資判断は必ず一次情報をご確認ください。

業種比較 業種: 食料品 日経225内同業 10社

指標 自社 日経225 同業平均
(10社)
EDINET 全体平均
(125社)
同業平均との偏差
ROE 7.5% 12.7% 6.9% -5.20pt
PER 13.1倍 21.4倍 -8.25
PBR 0.93倍 1.94倍 -1.01
配当利回り 5.60% 3.68% +1.92pt
配当性向 73.4% 77.5% -4.08pt
ROA 3.6% 4.6% -1.09pt
売上総利益率 37.3% 34.8% +2.51pt
営業利益率 9.2% 9.6% 5.5% -0.48pt
純利益率 6.5% 5.8% +0.69pt

※「日経225 同業平均」は当サイトで日経225採用銘柄から自前集計した値。 「EDINET 全体平均」は EDINET DB API が返す上場企業全体(中小・赤字含む)の平均で、ROE と営業利益率のみ提供されます。 偏差はパーセンテージポイント(pt)または倍率差。

キャッシュフロー(2024年度)

営業CF 4,037億円
投資CF ▲1,187億円
財務CF ▲2,728億円
設備投資 1,617億円
現金等残高 840億円
年度 営業CF 投資CF 財務CF フリーCF 設備投資 現金等残高
2024 4,037億円 ▲1,187億円 ▲2,728億円 2,851億円 1,617億円 840億円
2023 3,475億円 ▲1,177億円 ▲2,267億円 2,298億円 1,405億円 599億円
2022 2,660億円 ▲692億円 ▲2,196億円 1,968億円 1,315億円 374億円
2021 3,378億円 ▲143億円 ▲3,203億円 3,235億円 1,090億円 527億円
2020 2,759億円 ▲12,434億円 9,568億円 ▲9,675億円 1,038億円 485億円
2019 2,535億円 ▲1,037億円 ▲1,588億円 1,498億円 1,080億円 485億円
2018 2,524億円 225億円 ▲2,706億円 2,749億円 573億円
2017 2,317億円 ▲8,858億円 6,619億円 ▲6,541億円 581億円
2016 1,545億円 ▲2,685億円 1,196億円 ▲1,141億円 485億円
2015 1,165億円 ▲771億円 ▲753億円 394億円 433億円
2014 1,468億円 ▲922億円 ▲358億円 546億円 622億円
2013 1,573億円 ▲657億円 ▲849億円 915億円 411億円
2012 1,093億円 ▲1,343億円 430億円 ▲250億円 343億円
2011 1,085億円 ▲1,712億円 671億円 ▲627億円 161億円

※ フリーCF = 営業CF + 投資CF(投資CFは通常マイナス)。設備投資額は絶対値で表示。

損益計算書(2024年度)

項目 金額 売上比
売上高 29,394億円 100.0%
売上原価 18,417億円 62.7%
売上総利益 10,977億円 37.3%
販管費 8,126億円 27.6%
営業利益 2,691億円 9.2%
経常利益 943億円 3.2%
純利益 1,921億円 6.5%

※ 会計基準: IFRS / 有報提出日: 2025-03-27 15:30。 売上原価・売上総利益・販管費が「—」の項目は EDINET に該当データが無いことを示します(金融・通信・IFRS企業など)。

貸借対照表(2024年度)

項目 金額 総資産比
資産
総資産 54,034億円 100.0%
現金等 840億円 1.6%
その他資産 53,194億円 98.4%
負債・純資産
総負債 27,346億円 50.6%
有利子負債 12,792億円 23.7%
その他負債 14,554億円 26.9%
純資産 26,688億円 49.4%
自己資本 26,688億円 49.4%
うち利益剰余金 14,187億円 26.3%

※「その他資産」「その他負債」は EDINET 取得値から計算で算出(その他資産 = 総資産 − 現金等、その他負債 = 総負債 − 有利子負債)。 利益剰余金は自己資本に含まれる内訳項目です。 総資産 = 総負債 + 純資産 が成立しない場合はデータの整合性をご確認ください。

事業規模・コスト構造(2024年度)

従業員数 28,173人 1人当たり売上 1.04億円
研究開発費 180億円 売上比 0.61%
減価償却費 1,579億円 売上比 5.37%

※「1人当たり売上」「売上比%」はサイト内で計算した派生指標です。 研究開発費は製造業以外では非開示の場合があります(サービス業・金融業など)。

信用評価履歴 EDINET DB スコア(過去14年分)

健全性スコア (2024年度) 83点 ランク S
業種ベンチマーク 全体的に標準的な水準。差別化のための強みの明確化が課題 強み 1項目 / 弱み 1項目
直近の評価コメントを見る (2024年度)

信用評価

純資産が毎年増加。内部留保が着実に蓄積されている

投資評価

PER 13.1倍で割安圏。いくつかの懸念材料あり

※ EDINET DB API が独自の指標と業種ベンチマークから算出するスコア・ランク・コメントです。 S = 90点以上 / A = 75-89点 / B = 60-74点 / C/D = それ未満。

直近の決算短信

開示日時タイトル区分売上高前年比 営業利益前年比 純利益前年比EPS PDF
2026-03-24 11:30 2026年12月期第1四半期決算短信の開示が四半期末後 45 日を超えることに関するお知らせ PDF
2026-03-10 11:30 2025年12月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結) Q3 21,548億円 -0.6% 1,587億円 -18.0% 1,028億円 -26.2% 68.4 PDF
業績概況・今後の見通し(2026-03-10 発表分) 約14,986字

qualitative
○添付資料の目次
1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………………

(1)当四半期の経営成績の概況 ………………………………………………………………………………………

(2)当四半期の財政状態の概況 ………………………………………………………………………………………

(3)当四半期のキャッシュ・フローの概況 …………………………………………………………………………

(4)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明 ………………………………………………………………

2.要約四半期連結財務諸表及び主な注記 ………………………………………………………………………………

(1)要約四半期連結財政状態計算書 …………………………………………………………………………………

(2)要約四半期連結損益計算書及び要約四半期連結包括利益計算書 ……………………………………………

(3)要約四半期連結持分変動計算書 …………………………………………………………………………………
10
(4)要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書 ……………………………………………………………………
12
(5)要約四半期連結財務諸表注記 ……………………………………………………………………………………
14
継続企業の前提に関する注記 ……………………………………………………………………………………
14
適用される財務報告の枠組み ……………………………………………………………………………………
14
セグメント情報 ……………………………………………………………………………………………………
14
1.経営成績等の概況
2025年9月29日に発生したサイバー攻撃に伴う決算発表の延期により、株主の皆さまをはじめ、関係各位の皆さまに多大なるご迷惑をお掛けしたことを深くお詫び申し上げます。
(1)当四半期の経営成績の概況
当第3四半期連結累計期間(2025年1月1日~9月30日)における世界経済は、米国では、個人消費が底堅く推移するとともに、企業の投資活動も堅調に推移しました。欧州においては、景気は減速するものの、製造業が下支えし、底割れは回避されました。日本においては、雇用・所得環境の改善に伴い、個人消費の緩やかな回復が見られるものの、米国の通商政策により、先行き不透明な状況が続きました。
こうした状況のなかアサヒグループは、『中長期経営方針』に基づき、事業ポートフォリオの強靭化やサステナビリティと経営の統合などのコア戦略を推進するとともに、資本効率の向上や資本コストの低減など、持続的な成長と企業価値向上を目指した取り組みを強化しました。また、プレミアム戦略やマルチビバレッジ戦略を推進するとともに、各地域に蓄積されたリソースやベストプラクティス、マネジメントの強みを共有することにより、各事業の総和を超える価値創出に取り組みました。
なお、サイバー攻撃によるシステム障害の当第3四半期連結累計期間に及ぼす影響は売上収益については軽微ですが、事業利益については1%程度の減益要因となりました。
その結果、アサヒグループの売上収益は2兆1,548億2千4百万円(前年同期比0.6%減)となりました。また、利益については、事業利益
※1
は2,024億3千2百万円(前年同期比5.5%減)、営業利益は1,587億1千2百万円(前年同期比18.0%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は1,028億1百万円(前年同期比26.2%減)、調整後親会社の所有者に帰属する四半期利益
※2
は1,265億5千6百万円(前年同期比9.9%減)となりました。
為替変動による影響を除くと、売上収益は前年同期比0.6%の増収、事業利益は前年同期比4.6%の減益となりました。
※3
※1 事業利益とは、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した、恒常的な事業の業績を測る当社独自の利益指標です。
※2 調整後親会社の所有者に帰属する四半期利益とは、親会社の所有者に帰属する四半期利益から事業ポートフォリオ再構築及び減損損失など一時的な特殊要因を控除したものです。
※3 当第3四半期連結累計期間の外貨金額を、前年同期の為替レートで円換算して比較しています。
アサヒグループの報告セグメントは、従来「日本」、「欧州」、「オセアニア」、「東南アジア」としていましたが、2025年度の中間連結会計期間より、「日本・東アジア」、「欧州」、「アジアパシフィック」に変更しています。以下の前年同期比較は前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しています。
[日本・東アジア]
日本・東アジアにおいては、各事業の主力ブランドの強化に加え、高付加価値商品の展開を中心とした新たな価値提案により、成長基盤の拡大に取り組みました。また、各事業の枠を超えたシナジー創出による収益性向上に加えて、人的資本の高度化、サステナビリティの取り組み推進などにより、持続的な成長に向けた経営基盤の強化を図りました。
日本の酒類事業では、ビール類において、『アサヒスーパードライ』の“辛口のうまさ”をより一層引き立てる「冷え」に注目した広告・販促活動の強化に取り組むなど、「スーパードライ」ブランドの価値向上を図りました。また、4月の『アサヒ ザ・ビタリスト』の発売に加え、イタリアンプレミアムビール
※1
『ペローニ ナストロアズーロ』の缶商品を展開するなど、ビールカテゴリーの更なる強化を図りました。RTD
※2
においては、『未来のレモンサワー』を全国で数量限定発売するなど、新価値創造を推進しました。アルコールテイスト飲料においては、『アサヒゼロ』のクオリティアップに加え、炭酸水の「ウィルキンソン」ブランドから『ウィルキンソン タンサン タグソバー』を発売するなど、お酒を飲む人も飲まない人も共に楽しめる生活文化の創造を目指し、「スマートドリンキング」の推進に取り組みました。
日本の飲料事業では、「ワンダ」ブランドをフルリニューアルし、ブランドロゴの刷新や“はじまりのコーヒー”を新コンセプトに中味とパッケージを一新するとともに、PETボトルコーヒー『ワンダ クリアブラック』『ワンダ ロイヤルラテ』を発売し、コーヒーカテゴリーの強化を図りました。また、熱中症対策設計商品である『三ツ矢塩サイダー』『カルピスウォーター ひんやりライチ』『しみわたるカルピス りんご&洋梨』を発売するなど、商品ラインアップの拡充を図りました。
日本の食品事業では、「ミンティア」ブランドにおいて、ご当地で果実を食べているような特別感を楽しめる『ミンティア あまおう苺』『ミンティア 瀬戸田レモン』を発売し、商品ラインアップの拡充を図りました。また、和光堂ブランドから、離乳食を卒業した1歳半頃からの子どもに向けた幼児食「ぱくぱくプレキッズ」シリーズを全国発売するなど、市場のさらなる活性化と多様化するニーズへの対応に取り組みました。
東アジアでは、中国を中心に『Asahi Super Dry』などのグローバルブランドの拡販に取り組み、プレゼンスの拡大を図りました。
以上の結果、売上収益は、外食事業からの撤退による減収影響はありましたが、価格改定効果などにより各事業が増収となり、1兆285億2千4百万円(前年同期比1.3%増)となりました。
事業利益は、増収効果に加えて各種コストの効率化などに取り組みましたが、システム障害の影響や原材料関連費用の増加などにより、999億5千9百万円(前年同期比3.1%減)となりました。
※1 イタリアを起源とするプレミアムビールブランドのこと。
※2 RTD:Ready To Drinkの略。購入後、そのまま飲用可能な缶チューハイなどを指します。
[欧州]
欧州においては、主要国におけるプレミアムビールやビールテイスト飲料の強化に加えて、世界的なパートナーシップなどを活用した『Asahi Super Dry』と『Peroni Nastro Azzurro』の拡大展開により、グローバルブランドの認知度向上を図りました。また、サステナビリティの取り組みやDXを推進することにより、成長基盤を更に強化しました。
欧州の主要地域では、チェコの『Pilsner Urquell』や『Radegast』などの主力ブランドにおけるマーケティング活動を積極的に展開したほか、イタリアの『Raffo』では店舗の販売活動を強化しました。また、ポーランドの『Lech』においては新たなフレーバービールを展開し、消費者の多様なニーズに対応する施策を推進したほか、『Zubr』では、絶滅危惧種の動物を支援するキャンペーンを展開するなど、各国におけるブランド価値向上に注力しました。さらに、ビールテイスト飲料において、チェコの『Birell』やルーマニアの『Ursus Cooler』などでフレーバー展開を強化したほか、ポーランドの『Tyskie 0.0%』では、スポーツ選手を活用した広告活動を実施するなど、需要の高まりを背景に新たな飲用機会の創出に取り組みました。
グローバルブランドの拡大展開では、『Asahi Super Dry』において、「City Football Group」と「Rugby World Cup」とのパートナーシップを活かしたマーケティング活動に取り組みました。また、新たに、イングランドプレミアリーグのサッカーチーム「Arsenal」と公式ビールパートナー契約を締結するなど、更なる認知度向上に向けた取り組みを強化しました。『Peroni Nastro Azzurro』においては、F1チーム「Scuderia Ferrari」とのパートナーシップを活用し、ビールテイスト飲料『Peroni Nastro Azzurro 0.0%』で新たな広告活動と消費者参加型のキャンペーンを開始するなど、グローバルでのブランド認知度の向上に努めました。
以上の結果、売上収益は、各国のプレミアムビールやグローバルブランドなどは堅調に推移しましたが、天候不順の影響などにより販売数量が減少したことで、5,825億9千万円(前年同期比2.2%減)となりました。
事業利益は、販売数量の減少や人件費の増加などによる影響を受けましたが、売上単価の向上による効果や各種コストの効率化を推進したことなどにより、918億2千8百万円(前年同期比2.4%増)となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前年同期比3.0%の減収、事業利益は前年同期比1.0%の増益となりました。
[アジアパシフィック]
アジアパシフィックにおいては、ビールの主力ブランドを中心とした商品ポートフォリオの強化に加え、高付加価値なRTDの展開などによるプレミアム化を推進しました。また、飲料事業における成長領域への参入など、酒類と飲料事業の強みを活かしたマルチビバレッジ戦略を推進しました。さらに、DXの加速やサプライチェーンの効率化による収益構造改革や、サステナビリティを重視した新価値提案などにより、事業基盤を一層強化しました。
オセアニアの酒類事業では、消費嗜好の多様化や健康志向の高まりを背景に需要が拡大しているコンテンポラリー・ビール

において、アルコール分2.0%『Great Northern Light』を発売したことや、「Australian Football League」のシーズンに合わせて『Carlton Dry 3.5』の販促活動を強化しました。また、『Peroni Nastro Azzurro』やクラフトビール『Balter』による全豪オープンテニストーナメントとのパートナーシップを活用したマーケティングを展開しました。RTDにおいては、『Hard Rated Alcoholic Orange』を発売したことにより、商品ポートフォリオを拡充し、プレミアムスピリッツにおいては、「Never Never」ブランドと飲食店のタイアップを通じて新たな飲用機会の創出を図りました。
オセアニアの飲料事業では、「Schweppes」ブランドにおいて豪州の国立美術館とのパートナーシップを活用したマーケティング活動を強化したほか、主力ブランドより『Gatorade Fast Twitch』や『Solo Energy』などのエナジードリンクを発売するなど、新たな成長機会の創出に取り組みました。
東南アジアでは、マレーシアを中心に「CALPIS」ブランドの新フレーバーを発売したほか、春節と連動した販促活動を展開し、ブランド力の強化を図りました。また、「WONDA」ブランドでは地元の人気キャラクターとコラボレーションした商品を発売し、「Goodday」ブランドでは子どもの挑戦する力を育むキャンペーンを積極的に展開したことで、地域の特性や幅広い年齢層に合わせた価値提案を行いました。
以上の結果、売上収益は、各国の主力ブランドは堅調に推移しましたが、為替変動の影響により、5,312億8千6百万円(前年同期比2.4%減)となりました。
事業利益は、各種コストの効率化を図りましたが、物流費や人件費などの増加に加えて、為替変動の影響により、594億9千5百万円(前年同期比6.2%減)となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前年同期比3.1%の増収、事業利益は前年同期比0.9%の減益となりました。
※ 苦味などを抑えた飲みやすいビールのこと。
[その他]
その他については、売上収益は201億2千8百万円(前年同期比1.2%減)、事業利益は39億2千9百万円(前年同期比2.6%増)となりました。
セグメントの業績は次の通りです。各セグメントの売上収益はセグメント間の内部売上収益を含んでおります。
事業セグメント別の実績
(単位:百万円)
売上収益
前年同期比
事業利益
前年同期比
売上収益
事業利益率
営業利益
前年同期比
為替一定
為替一定
日本・東アジア
1,028,524
1.3%
1.3%
99,959
△3.1%
△3.1%
9.7%
73,463
△20.4%
欧州
582,590
△2.2%
△3.0%
91,828
2.4%
1.0%
15.8%
69,395
6.0%
アジアパシフィック
531,286
△2.4%
3.1%
59,495
△6.2%
△0.9%
11.2%
24,294
△43.7%
その他
20,128
△1.2%
3.3%
3,929
2.6%
7.7%
19.5%
3,893
10.8%
調整額計
△7,705


△23,285



△12,334

無形資産
償却費



△29,494





合計
2,154,824
△0.6%
0.6%
202,432
△5.5%
△4.6%
9.4%
158,712
△18.0%
※1 為替一定とは、当第3四半期連結累計期間の外貨金額を、前年同期の為替レートで円換算したものです。
※2 営業利益における無形資産償却費は各事業に配賦しています。
※3 事業利益の前年同期比は、2024年第4四半期に実施した一部のグループ運営費(当社及びAsahi Global Procurement Pte. Ltd.において発生するグループ運営費)の計上方法の変更を反映しています。
(2)当四半期の財政状態の概況
当第3四半期連結会計期間の連結総資産は、季節要因等により営業債権が減少したものの、為替相場の変動による外貨建資産の増加等により、総資産は前年度末と比較して1,745億1千7百万円増加し、5兆5,779億2千3百万円となりました。
負債は、季節要因等による営業債務の減少はあったものの社債及び借入金の増加等により、前年度末と比較して327億4千8百万円増加し、2兆7,621億2百万円となりました。
資本は、前年度末に比べ1,417億6千9百万円増加し、2兆8,158億2千万円となりました。これは、配当金支出により利益剰余金が減少したものの、当第3四半期連結累計期間の親会社の所有者に帰属する四半期利益の計上による利益剰余金の増加等によるものです。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は50.4%となりました。
(3)当四半期のキャッシュ・フローの概況
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益が1,517億7千3百万円となりましたが、その他負債の減少による支出や法人所得税等の支払による減少があった一方で、減価償却費等の非キャッシュ項目による増加があり、1,483億6千3百万円(前年同期比:737億7千4百万円の収入減)の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出や連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の取得による支出などにより、1,532億9千7百万円(前年同期比:373億3千6百万円の支出増)の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加による収入などがあった一方で、社債の償還や配当金の支払による支出などがあり、92億3千万円(前年同期比:1,129億7千7百万円の支出減)の支出となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間では、前第3四半期連結累計期間と比較して現金及び現金同等物の残高は387億4千6百万円増加し、849億4千8百万円となりました。
(4)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2025年度の通期の業績につきましては、2025年8月7日に公表しました業績予想から変更ありません。
なお、サイバー攻撃による業績への影響については引き続き精査中です。開示すべき業績への重大な影響が判明した場合、速やかに開示します。
2.要約四半期連結財務諸表及び主な注記
(1)要約四半期連結財政状態計算書
(単位:百万円)
前年度
(2024年12月31日)
当第3四半期連結会計期間
(2025年9月30日)
資産
流動資産
現金及び現金同等物
83,961
84,948
営業債権及びその他の債権
440,335
420,644
棚卸資産
271,430
305,988
未収法人所得税等
4,844
2,615
その他の金融資産
17,079
10,734
その他の流動資産
40,237
45,323
流動資産合計
857,891
870,254
非流動資産
有形固定資産
935,441
960,929
のれん及び無形資産
3,353,896
3,445,551
持分法で会計処理されている投資
11,369
11,858
その他の金融資産
143,540
176,649
繰延税金資産
41,469
42,034
確定給付資産
44,100
43,472
その他の非流動資産
15,694
27,173
非流動資産合計
4,545,514
4,707,668
資産合計
5,403,405
5,577,923
(単位:百万円)
前年度
(2024年12月31日)
当第3四半期連結会計期間
(2025年9月30日)
負債及び資本
負債
流動負債
営業債務及びその他の債務
720,870
664,015
社債及び借入金
451,129
623,447
未払法人所得税等
31,280
34,439
引当金
21,381
23,498
その他の金融負債
135,634
104,654
その他の流動負債
150,012
136,647
流動負債合計
1,510,308
1,586,702
非流動負債
社債及び借入金
828,047
783,741
確定給付負債
14,394
12,802
繰延税金負債
238,593
238,509
その他の金融負債
129,642
132,470
その他の非流動負債
8,367
7,875
非流動負債合計
1,219,044
1,175,399
負債合計
2,729,353
2,762,102
資本
資本金
220,044
220,044
資本剰余金
162,216
162,141
利益剰余金
1,418,660
1,445,154
自己株式
△31,214
△30,943
その他の資本の構成要素
899,094
1,014,787
親会社の所有者に帰属する持分合計
2,668,801
2,811,184
非支配持分
5,250
4,636
資本合計
2,674,051
2,815,820
負債及び資本合計
5,403,405
5,577,923
(2)要約四半期連結損益計算書及び要約四半期連結包括利益計算書
要約四半期連結損益計算書
第3四半期連結累計期間
(単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間
(自 2024年1月1日
至 2024年9月30日)
当第3四半期連結累計期間
(自 2025年1月1日
至 2025年9月30日)
売上収益
2,167,952
2,154,824
売上原価
△1,352,608
△1,341,764
売上総利益
815,343
813,060
販売費及び一般管理費
△601,110
△610,627
その他の営業収益
3,661
4,105
その他の営業費用
△24,414
△47,825
営業利益
193,480
158,712
金融収益
12,322
15,940
金融費用
△15,352
△22,675
持分法による投資損益
399
△204
税引前四半期利益
190,850
151,773
法人所得税費用
△50,427
△47,816
四半期利益
140,423
103,956
四半期利益の帰属:
親会社の所有者
139,318
102,801
非支配持分
1,104
1,155
合計
140,423
103,956
基本的1株当たり四半期利益(円)
91.66
68.40
希薄化後1株当たり四半期利益(円)
91.64
68.38
要約四半期連結包括利益計算書
第3四半期連結累計期間
(単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間
(自 2024年1月1日
至 2024年9月30日)
当第3四半期連結累計期間
(自 2025年1月1日
至 2025年9月30日)
四半期利益
140,423
103,956
その他の包括利益
純損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
される金融商品への投資の公正価値の変動
3,406
11,602
純損益に振り替えられる可能性のある項目
キャッシュ・フロー・ヘッジ
3,965
1,117
ヘッジコスト
79
866
在外営業活動体の換算差額
38,664
108,903
持分法適用会社に対する持分相当額
67
△131
その他の包括利益合計
46,183
122,357
四半期包括利益合計
186,606
226,314
四半期包括利益合計の帰属:
親会社の所有者
185,505
225,649
非支配持分
1,101
665
(3)要約四半期連結持分変動計算書
前第3四半期連結累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年9月30日)
(単位:百万円)
区分
親会社の所有者に帰属する持分
資本金
資本剰余金
利益剰余金
自己株式
その他の資本の構成要素
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融商品への投資の公正価値の変動
キャッシュ・
フロー・
ヘッジ
2024年1月1日現在の残高
220,044
161,867
1,282,432

1,190
49,086
224
四半期包括利益
四半期利益
139,318
その他の包括利益
3,406
3,970
四半期包括利益合計


139,318

3,406
3,970
非金融資産等への振替

1,648
所有者との取引
剰余金の配当

66,374
自己株式の取得

19
自己株式の処分
0
0
連結子会社の売却による変動
289
株式報酬取引
105
その他の資本の構成要素から
利益剰余金への振替
1,176

1,176
所有者からの拠出及び所有者への
分配合計

394

65,198

19

1,176

所有者との取引合計

394

65,198

19

1,176

2024年9月30日現在の残高
220,044
162,262
1,356,553

1,210
51,316
2,546
区分
親会社の所有者に帰属する持分
非支配持分
資本合計
その他の資本の構成要素
親会社の
所有者に
帰属する
持分合計
ヘッジコスト
在外営業
活動体の
換算差額
その他の
資本の構成
要素合計
2024年1月1日現在の残高

425
748,508
797,393
2,460,548
5,233
2,465,781
四半期包括利益
四半期利益

139,318
1,104
140,423
その他の包括利益
79
38,730
46,186
46,186

3
46,183
四半期包括利益合計
79
38,730
46,186
185,505
1,101
186,606
非金融資産等への振替

1,648

1,648

1,648
所有者との取引
剰余金の配当

66,374

1,112

67,487
自己株式の取得

19

19
自己株式の処分
0
0
連結子会社の売却による変動
289
289
株式報酬取引
105
105
その他の資本の構成要素から
利益剰余金への振替

1,176


所有者からの拠出及び所有者への
分配合計



1,176

65,999

1,112

67,111
所有者との取引合計



1,176

65,999

1,112

67,111
2024年9月30日現在の残高

345
787,238
840,755
2,578,405
5,222
2,583,628
当第3四半期連結累計期間(自 2025年1月1日 至 2025年9月30日)
(単位:百万円)
区分
親会社の所有者に帰属する持分
資本金
資本剰余金
利益剰余金
自己株式
その他の資本の構成要素
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融商品への投資の公正価値の変動
キャッシュ・
フロー・
ヘッジ
2025年1月1日現在の残高
220,044
162,216
1,418,660

31,214
50,929
10,738
四半期包括利益
四半期利益
102,801
その他の包括利益
11,602
1,111
四半期包括利益合計


102,801

11,602
1,111
非金融資産等への振替

3,807
所有者との取引
剰余金の配当

79,655
自己株式の取得

4
自己株式の処分

0
276
連結子会社の売却による変動
株式報酬取引

75
その他の資本の構成要素から
利益剰余金への振替
3,348

3,348
所有者からの拠出及び所有者への
分配合計


75

76,307
271

3,348

所有者との取引合計


75

76,307
271

3,348

2025年9月30日現在の残高
220,044
162,141
1,445,154

30,943
59,183
8,043
区分
親会社の所有者に帰属する持分
非支配持分
資本合計
その他の資本の構成要素
親会社の
所有者に
帰属する
持分合計
ヘッジコスト
在外営業
活動体の
換算差額
その他の
資本の構成
要素合計
2025年1月1日現在の残高

492
837,917
899,094
2,668,801
5,250
2,674,051
四半期包括利益
四半期利益
102,801
1,155
103,956
その他の包括利益
866
109,268
122,848
122,848

490
122,357
四半期包括利益合計
866
109,268
122,848
225,649
665
226,314
非金融資産等への振替

3,807

3,807

3,807
所有者との取引
剰余金の配当

79,655

1,278

80,934
自己株式の取得

4

4
自己株式の処分
276
276
連結子会社の売却による変動


株式報酬取引

75

75
その他の資本の構成要素から
利益剰余金への振替

3,348


所有者からの拠出及び所有者への
分配合計



3,348

79,460

1,278

80,738
所有者との取引合計



3,348

79,460

1,278

80,738
2025年9月30日現在の残高
374
947,185
1,014,787
2,811,184
4,636
2,815,820
(4)要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間
(自 2024年1月1日
至 2024年9月30日)
当第3四半期連結累計期間
(自 2025年1月1日
至 2025年9月30日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前四半期利益
190,850
151,773
減価償却費及び償却費
119,750
119,006
減損損失
1,612
25,282
受取利息及び受取配当金
△5,713
△6,138
支払利息
13,205
17,537
持分法による投資損益(△は益)
△399
204
関係会社株式売却損益(△は益)
△1,604

固定資産除売却損益(△は益)
1,753
924
営業債権の増減額(△は増加)
47,899
24,289
棚卸資産の増減額(△は増加)
△10,690
△27,584
営業債務の増減額(△は減少)
△34,477
△24,746
未払酒税の増減額(△は減少)
△6,594
△14,104
確定給付資産負債の増減額(△は減少)
277
△2,211
その他負債の増減額(△は減少)
△45,140
△35,256
その他
16,515
7,493
小計
287,242
236,471
利息及び配当金の受取額
9,600
6,772
利息の支払額
△12,180
△14,960
法人所得税の支払額
△62,523
△79,920
営業活動によるキャッシュ・フロー
222,138
148,363
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出
△83,500
△91,971
有形固定資産の売却による収入
4,219
4,234
無形資産の取得による支出
△16,526
△19,590
投資有価証券の取得による支出
△2,062
△744
投資有価証券の売却による収入
2,848
7,651
連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の取得による支出
△21,397
△45,520
連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の売却による収入
485

条件付対価の決済による支出

△5,849
その他
△26
△1,507
投資活動によるキャッシュ・フロー
△115,960
△153,297
(単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間
(自 2024年1月1日
至 2024年9月30日)
当第3四半期連結累計期間
(自 2025年1月1日
至 2025年9月30日)
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の増減額(△は減少)
48,169
135,360
リース負債の返済による支出
△21,806
△20,494
長期借入による収入

50,000
長期借入の返済による支出
△43,016
△38,962
社債の発行による収入
165,002
50,000
社債の償還による支出
△201,760
△104,700
自己株式の取得による支出
△19
△4
配当金の支払
△66,374
△79,655
その他
△2,402
△773
財務活動によるキャッシュ・フロー
△122,207
△9,230
現金及び現金同等物に係る為替変動による影響
2,285
15,150
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)
△13,744
986
現金及び現金同等物の期首残高
59,945
83,961
現金及び現金同等物の四半期末残高
46,201
84,948
(5)要約四半期連結財務諸表注記
(継続企業の前提に関する注記)
該当事項はありません。
(適用される財務報告の枠組み)
当社の要約四半期連結財務諸表(要約四半期連結財政状態計算書、要約四半期連結損益計算書、要約四半期連結包括利益計算書、要約四半期連結持分変動計算書、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書及び要約四半期連結財務諸表注記)は、株式会社東京証券取引所の四半期財務諸表等の作成基準第5条第2項(ただし、同基準第5条第5項に定める記載の省略を適用)に準拠して作成しており、国際会計基準第34号「期中財務報告」で求められる開示項目及び注記の一部を省略しております。
(セグメント情報)
(1)報告セグメントの概要
当社グループは、経営陣のレビューを受け戦略的意思決定において活用されている報告書に基づき事業セグメントを決定しております。
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営陣が経営資源の配分の決定等のために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、グループ全体の戦略策定及び経営管理に特化するGlobal Headquartersと、各地域の特性に合わせた酒類、飲料製品等の製造・販売の戦略を策定・実行する地域統括会社であるRegional Headquarters(RHQ)から構成される経営体制を構築しています。当社は、各RHQを管掌する責任者を配置し、グローバル戦略を踏まえた各地域における事業戦略の策定等を統括しています。
したがって、当社グループは、酒類、飲料製品等の製造・販売を基礎としたRHQの所在地域別のセグメントから構成されており、「日本・東アジア」、「欧州」、「アジアパシフィック」の3つの事業を報告セグメントにしております。
報告セグメント
主な製品及びサービス
日本・東アジア
酒類、飲料、食品、薬品の製造・販売
欧州
酒類の製造・販売
アジアパシフィック
酒類・飲料の製造・販売
経営陣は、セグメント利益又は損失の測定結果に基づいて、事業セグメントの実績を評価しております。
(報告セグメントの変更に関する事項)
当社はこれまでに、日本・欧州・オセアニア・東南アジアでの4RHQを基盤としてきましたが、『中長期経営方針』に基づくグループガバナンス強化と企業価値の最大化を図るため、2025年4月1日付でオセアニアと東南アジアのRHQを統合し、4RHQ体制から3RHQ体制へ変更いたしました。
これにより、当社グループの報告セグメントは、従来「日本」、「欧州」、「オセアニア」、「東南アジア」としておりましたが、中間連結会計期間より「日本・東アジア」、「欧州」、「アジアパシフィック」に変更することといたしました。
なお、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
(2)セグメント業績等
前第3四半期連結累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年9月30日)
(単位:百万円)
日本・
東アジア
欧州
アジアパシ
フィック
その他
(注)

調整額
連結
売上収益
対外部売上収益
1,011,113
593,287
543,172
20,378
2,167,952

2,167,952
セグメント間売上収益
3,804
2,111
1,371
0
7,287
△7,287

売上収益合計
1,014,917
595,399
544,543
20,379
2,175,240
△7,287
2,167,952
セグメント利益又は損失(△)
92,272
65,471
43,115
3,513
204,372
△10,891
193,480
(注) 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、韓国酒類事業、飼料事業他を含んでおります。
セグメント利益又は損失(△)の調整額△10,891百万円には、各報告セグメントに配分していない全社費用△17,861百万円、セグメント間取引消去等6,970百万円が含まれております。全社費用は、主として純粋持株会社である当社及びAsahi Global Procurement Pte. Ltd.において発生するグループ戦略・管理費用であります。セグメント間取引消去等は、各事業セグメントに属さない子会社と各事業セグメントとの間の取引にかかる連結消去金額を含み、セグメント間の内部取引における価額は、外部顧客との取引価額に準じております。
当第3四半期連結累計期間(自 2025年1月1日 至 2025年9月30日)
(単位:百万円)
日本・
東アジア
欧州
アジアパシ
フィック
その他
(注)

調整額
連結
売上収益
対外部売上収益
1,024,140
580,711
529,843
20,128
2,154,824

2,154,824
セグメント間売上収益
4,384
1,878
1,442
0
7,705
△7,705

売上収益合計
1,028,524
582,590
531,286
20,128
2,162,530
△7,705
2,154,824
セグメント利益又は損失(△)
73,463
69,395
24,294
3,893
171,046
△12,334
158,712
(注) 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、韓国酒類事業、飼料事業他を含んでおります。
セグメント利益又は損失(△)の調整額△12,334百万円には、各報告セグメントに配分していない全社費用△22,205百万円、セグメント間取引消去等9,871百万円が含まれております。全社費用は、主として純粋持株会社である当社及びAsahi Global Procurement Pte. Ltd.において発生するグループ戦略・管理費用であります。セグメント間取引消去等は、各事業セグメントに属さない子会社と各事業セグメントとの間の取引にかかる連結消去金額を含み、セグメント間の内部取引における価額は、外部顧客との取引価額に準じております。

出典: 決算短信PDF(外部リンク)

大量保有報告書(5%超の株主)

報告日 提出者(グループ) 個別保有者 保有割合
個別 / 合計
株数 保有目的 種別
2025-12-19 ブラックロック・ジャパン株式会社 (同左) 2.09%
計 7.19%
3,177万株 純投資(投資一任契約に基づく顧客の資産運用および投資信託約款に基づく資産運用目的… 変更
2025-12-19 ブラックロック・ジャパン株式会社 ブラックロック(ネザーランド)BV(BlackRock (Netherlands) BV) 0.33%
計 7.19%
500万株 純投資(顧客および投資信託等の資産運用目的) 変更
2025-12-19 ブラックロック・ジャパン株式会社 ブラックロック・ファンド・マネジャーズ・リミテッド(BlackRock Fund Managers Limited) 0.36%
計 7.19%
554万株 純投資(顧客および投資信託等の資産運用目的) 変更
2025-12-19 ブラックロック・ジャパン株式会社 ブラックロック・アセット・マネジメント・カナダ・リミテッド(BlackRock Asset Management Canada Limited) 0.15%
計 7.19%
231万株 純投資(顧客および投資信託等の資産運用目的) 変更
2025-12-19 ブラックロック・ジャパン株式会社 ブラックロック・アセット・マネジメント・アイルランド・リミテッド(BlackRock Asset Management Ireland Limited) 0.74%
計 7.19%
1,129万株 純投資(顧客および投資信託等の資産運用目的) 変更
2025-12-19 ブラックロック・ジャパン株式会社 ブラックロック・ファンド・アドバイザーズ(BlackRock Fund Advisors) 2.08%
計 7.19%
3,167万株 純投資(投資信託等の資産運用目的) 変更
2025-12-19 ブラックロック・ジャパン株式会社 ブラックロック・インスティテューショナル・トラスト・カンパニー、エヌ.エイ.(BlackRock Institutional Trust Company, N.A.) 1.32%
計 7.19%
2,010万株 純投資(顧客および投資信託等の資産運用目的) 変更
2025-12-19 ブラックロック・ジャパン株式会社 ブラックロック・インベストメント・マネジメント(ユーケー)リミテッド(BlackRock Investment Management (UK) Limited) 0.12%
計 7.19%
189万株 純投資(顧客および投資信託等の資産運用目的) 変更
2025-12-19 ブラックロック・ジャパン株式会社 (同左) 2.09%
計 7.19%
3,177万株 純投資(投資一任契約に基づく顧客の資産運用および投資信託約款に基づく資産運用目的… 変更
2025-12-19 ブラックロック・ジャパン株式会社 ブラックロック(ネザーランド)BV(BlackRock (Netherlands) BV) 0.33%
計 7.19%
500万株 純投資(顧客および投資信託等の資産運用目的) 変更

※「個別保有者」が「(同左)」の行は提出者本人による保有。複数行が同じ提出者なら共同保有グループの内訳を表します。 保有目的が長い場合は冒頭40字のみ表示し、ホバーで全文表示します。

財務データ推移

年度売上高営業利益純利益 総資産純資産EPS配当
2024 29,394億円 2,691億円 1,921億円 54,034億円 26,688億円 126.7 93.0
2023 27,691億円 2,450億円 1,641億円 52,859億円 24,605億円 323.8 121.0
2022 25,111億円 2,170億円 1,516億円 48,303億円 20,607億円 299.1 113.0
2021 22,361億円 2,119億円 1,535億円 45,477億円 17,571億円 302.9 109.0
2020 20,278億円 1,352億円 928億円 44,394億円 15,161億円 196.5 106.0
2019 20,890億円 2,014億円 1,422億円 31,408億円 12,463億円 310.4 100.0
2018 21,203億円 2,118億円 1,511億円 30,793億円 11,464億円 329.8 99.0
2017 20,849億円 1,410億円 33,468億円 11,451億円 307.8 75.0
2016 17,069億円 892億円 20,943億円 8,364億円 194.8 54.0
2015 16,895億円 1,351億円 758億円 18,047億円 7,894億円 164.8 50.0
2014 17,855億円 1,283億円 691億円 18,261億円 7,745億円 148.9 45.0
2013 17,142億円 617億円 17,916億円 8,275億円 135.7 43.0
2012 15,791億円 572億円 17,322億円 7,269億円 122.8 28.0
2011 14,627億円 551億円 15,299億円 6,438億円 118.4 25.0

事業の状況(有価証券報告書より)

最新の有価証券報告書から、事業内容・リスク・経営方針・経営成績の概況を掲載します。各セクションをクリックして展開してください。

事業の内容 FY2025 / 約2,081字
3【事業の内容】 当企業集団(アサヒグループ)は、当社、連結子会社194社及び関連会社33社により構成され、その主な事業内容と、主要な会社の当該事業に係る位置づけは次の通りです。(1)日本(酒類、飲料、食品、薬品の製造・販売) 連結子会社であるアサヒグループジャパン㈱はアサヒビール㈱等の日本地域子会社を統括する地域統括会社であります。 連結子会社であるアサヒビール㈱は全国でビール類、低アルコール飲料等の製造・販売及び焼酎、洋酒、ワイン等の販売を行っております。また、連結子会社であるニッカウヰスキー㈱は、焼酎、洋酒等の製造を行っており、アサヒビール㈱等へ販売しております。連結子会社であるエノテカ㈱は、ワインの販売を行っております。連結子会社であるアサヒドラフトマーケティング㈱は、酒類販売設備の制作、販売及び保守業務を行い、アサヒビール㈱より業務を受託しております。連結子会社であるアサヒビールモルト㈱は、アサヒビール㈱等の麦芽の受託加工等を行っております。連結子会社である㈱アサヒビールフィードはアサヒビール㈱のモルトフィード(ビール粕)の受託加工等を行っております。 連結子会社であるアサヒ飲料㈱及びカルピス㈱は各種飲料の製造・販売を行っております。 連結子会社であるアサヒグループ食品㈱はベビーフード・菓子・フリーズドライ食品・サプリメント等の製造・販売を行っています。 連結子会社であるアサヒロジ㈱等は、アサヒグループ製品等の運送、物流センターの管理、倉庫業を行っております。連結子会社であるアサヒユウアス㈱は、サステナブルプロダクツの開発・販売を行っております。 (2)欧州(酒類の製造・販売) 連結子会社であるAsahi Europe & International Ltdは等の欧州地域子会社を統括する地域統括会社であります。 連結子会社である、、Kompania Piwowarska S.A.、Ursus Breweries SA、Dreher Sörgyárak Zrt.は中東欧にて、Birra Peroni S.r.l.、Koninklijke Grolsch N.V.等は西欧にてビールの製造・販売を行っております。 (3)オセアニア(酒類、飲料の製造・販売) 連結子会社であるAsahi Beverages Pty LtdはCUB Pty Ltd等のオセアニア地域子会社を統括する地域統括会社であります。 連結子会社であるCUB Pty Ltdはオーストラリアにて、Asahi Beverages (NZ) Limitedはニュージーランドにて酒類の製造・販売を行っており、Asahi Lifestyle Beveragesはオーストラリアにて飲料の製造・販売を行っております。 (4)東南アジア(飲料の製造・販売) 連結子会社であるAsahi Holdings Southeast Asia Sdn. Bhd.はEtika Beverages Sdn. Bhd.等の東南アジア地域子会社を統括する地域統括会社であります。 連結子会社であるEtika Beverages Sdn. Bhd.はマレーシアにて飲料の製造・販売を行っております。連結子会社であるEtika Dairies Sdn. Bhd.はマレーシアを中心とした東南アジアにて乳製品の製造・販売を行っております。 (5)その他 連結子会社であるアサヒクオリティーアンドイノベーションズ㈱はグループの持続的な発展につながる中長期的な研究を行っております。 連結子会社であるアサヒバイオサイクル㈱はアニマルニュートリション(飼料添加物等)、農業・緑化分野におけるバイオスティミュラント(肥料原料)、微生物利用の製品・サービスの提供を行っております。 連結子会社であるAsahi Group Beverages & Innovation, LLCは、米国サンフランシスコにて、ビールを中心とした既存事業の基盤を活かした新規領域での成長を目指し、スタートアップ投資ファンド Asahi Group Beverages & Innovation Fund の運営及び米国のスタートアップ企業へのマイノリティ出資等を行っております。 連結子会社であるAsahi Global Procurement Pte. Ltd.は、シンガポールにて、グループ全体の調達機能の高度化を目指し、アサヒグループのグローバル調達に関する戦略立案と管理を行っております。  なお、当社は特定上場会社等であります。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 企業集団の状況 事業の系統図及び主要な会社名は次の通りであります。 ※ Asahi Beverages Pty. Ltd.はAsahi Holdings (Australia) Pty Ltd傘下の地域統括会社であります。
事業等のリスク FY2025 / 約18,578字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当年度末現在においてアサヒグループが判断したものであります。 1.アサヒグループのリスクマネジメント体制 アサヒグループは、グループ全体を対象に、エンタープライズリスクマネジメント(ERM)を導入しています。この取り組みの中で、グループ理念「Asahi Group Philosophy」の具現化、並びに『中長期経営方針』の戦略遂行及び目標達成を阻害しうる重大リスクを、戦略、オペレーション、財務、コンプライアンス等の全ての領域から特定及び評価し、対応計画を策定、その実行及びモニタリングを継続的に実施することで、効果的かつ効率的にアサヒグループのリスク総量をコントロールしています。 ERMを推進するにあたり、代表執行役社長Group CEO以下の執行役、Group CxO及び委員長が指名するFunctionのHeadで構成されるリスクマネジメント委員会を設置しています。ERMはグループ全体を対象とし、リスクマネジメント委員会の委員長である代表執行役社長Group CEOが実行責任を負います。 アサヒグループ各社は、事業単位ごとにERMを実施し、リスクマネジメント委員会に取り組み内容を報告します。同委員会はそれらをモニタリングするとともに、委員自らがグループ全体の重大リスクを特定、評価、対応計画を策定し、その実行及びモニタリングを実施します。これらの取り組みは取締役会に報告され、取締役会はこれらをモニタリングすることで、ERMの実効性を確認します。 2.アサヒグループ リスクアペタイト アサヒグループは、ERMを推進するとともに、『中長期経営方針』の目標達成のために、「とるべきリスク」と「回避すべきリスク」を明確化する「アサヒグループ リスクアペタイト」を制定しています。 「アサヒグループ リスクアペタイト」は、アサヒグループのリスクマネジメントに関する「方針」です。ERMの運用指針及び意思決定の際のリスクテイクの指針となるものであり、リスクに対する基本姿勢を示す「リスクアペタイト ステートメント」と、実務的な活用を想定した、事業遂行に大きく影響する主要なリスク領域に対する姿勢(アペタイト)を示す「領域別リスクアペタイト」で構成されます。グループ戦略、リスク文化とリスク状況、及びステークホルダーの期待をもとに検討し、取締役会にて決定、グループ全体に適用され、実施状況はリスクマネジメント委員会でモニタリング、取締役会へ報告されます。本取り組みを通じて、アサヒグループ全体で適切なリスクテイクを促進していきます。 3.アサヒグループのクライシスマネジメント体制 アサヒグループでは、ERMにおけるグループ全体の重大リスクの中でも、人・モノ・カネ・情報等の経営資源遮断の危機があり「即時対応」する領域を「クライシスマネジメント」の対象としています。 クライシスマネジメントの実効性を上げるため、平時から「事前の想定」を行い、クライシス時に混乱なく速やかに対応できるよう「緊急時の即応体制」を構築しています。事前の想定については、経営資源遮断の危機を想定した「リスクシナリオ」を作成し対応を準備しています。 また、緊急時の即応体制については、クライシス類型に応じた対応主体を予め明確にし、危機発生時の初動における事実確認と重大性の評価を迅速・的確に実施し対応する体制を構築しています。 4.主要リスク 当社グループでは、「1.アサヒグループのリスクマネジメント体制」に記載の通り、代表執行役社長Group CEO以下の執行役及び委員長が指名するFunctionのHeadで構成されるリスクマネジメント委員会で、中長期経営方針の事業遂行及び目標達成を阻害しうる特に重大なリスクを特定及び評価し、以下の「(2)個別戦略リスク」として認識しています。 加えて、それ以外に考えられる当社グループの事業等のリスクについても、「(1)全体リスク」及び「(3)その他リスク」に記載しています。ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。かかるリスク要因のいずれによっても、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があります。 また、前述の、当社グループリスクマネジメントの取り組みの中で、以下に記載する各リスクに対する対応策を含む種々の対応策をとりますが、それらの対策が有効に機能しない等によりリスクが解消できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (1)全体リスク1)中長期経営方針について 当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指して、2019年に「Asahi Group Philosophy(AGP)」を制定し、2022年、それに基づいて、また、その後のグループ内外の環境変化も踏まえて中長期経営方針を更新しました。「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、本方針では、3年程度を想定した主要指標のガイドラインや、財務・キャッシュ・フロー方針を示していますが、これらのガイドライン・方針は、策定時に当社グループが入手可能な情報や適切と考えられる一定の前提に基づき、将来の事象に関する仮定及び予想に依拠して策定されたものです。そのため、本「3 事業等のリスク」に記載の各リスク等を含む様々な要因により変更を余儀なくされるものであり、当社グループの事業や業績が中期経営方針内の同ガイドライン・方針等を達成できない可能性があります。 2)事業環境について 当社グループの売上収益において日本の占める割合は約46.4%(2024年12月期決算)となっています。今後の日本国内での景気の動向によって、酒類・飲料・食品の消費量に大きな影響を与える可能性があり、人口の減少、少子高齢化が進んでいくと、酒類・飲料・食品の消費量が減少する可能性があります。また、原材料・エネルギー価格の高騰やインフレの影響などにより、国内での競争環境がさらに激化することで当社売上数量・金額が低下するとともに、コスト構造の悪化を招き、当社グループ事業の収益性が想定より損なわれる可能性があります。 日本の売上収益のうち、ビール類は4割を超えます。このような状況は、当社グループのビール類商品に対するお客様の信頼を反映したものであり、当社グループ国内酒類事業での効率的な利益創出に寄与していますが、消費者の嗜好性の変化、世代交代等により、お客様の支持を失ってしまうと、本商品群の売上が低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。  また、当社グループは海外での事業領域を拡大しており、2024年12月期決算での売上収益における欧州、オセアニア、東南アジアの占める割合は、約53.2%となっています。今後、欧州、オセアニア地域を中心とする当社グループが事業を展開する各国における景気の悪化、当該各国での競争環境の激化、消費者の嗜好の変化等、市場の需要動向が変化すること等により、当該地域における当社グループの売上収益の低下、利益率の悪化が生じる可能性があります。 当社グループは、中長期経営方針に『ビールを中心とした既存事業の成長と新規領域の拡大』を掲げ、『アサヒスーパードライ』や『Peroni Nastro Azzurro』などのグローバルブランドをはじめとした高付加価値ブランドの価値向上や新市場の創造を目指すとともに、今後の環境変化も見据えた収益構造改革を加速することで、本リスクが顕在化した場合の業績及び財政状態への影響の低減を図っていきます。また、ビール類に加えて、RTDなども含めたBACのラインアップを充実させることで売上収益を増加させるとともに、飲料、食品事業においては、消費の多様化や健康志向の高まりなどに応え、新たな付加価値提案を行い、事業拡大を図っていきます。 当社グループは、テクノロジーの発展が、人類に新たな技術力と自由な時間を与え、気候変動・資源不足といった地球規模の課題を抱える中、社会・経済だけではなく人類の幸福(Well-being)のあり方も変化していくものと想定しています。そうしたメガトレンドを踏まえて更新した「おいしさと楽しさで“変化するWell-being”に応え、持続可能な社会の実現に貢献する」という方針のもと、変化しつつあるWell-beingへの迅速な対応、市場環境の変化を先取りした事業戦略の立案と展開、ならびに新たなオペレーティングモデルの構築を通じて、当社グループの戦略及び事業の競争力を強化していきます。 (2)個別戦略リスク 当社リスクマネジメント委員会は、中長期経営方針の事業遂行及び目標達成を阻害しうる特に重大なリスクを以下の通り認識しています。その中で、中長期的に顕在化が懸念されるリスクを①、短中期的に顕在化が懸念されるリスクを②、及び継続的に顕在化を留意すべきリスクを③、とそれぞれ分類し記載しました。 ① 中長期的に顕在化が懸念されるリスク1)事業拡大について 当社グループは、Schweppes Australia社の買収(2009年、買収額1,185百万豪ドル(適時開示の際に公表した金額、以下同じ))、カルピス社の買収(2012年、買収額920億円)、旧SAB Miller社の西欧ビール事業の取得(2016年、買収額2,550百万ユーロ)、中東欧ビール事業の取得(2017年、買収額7,300百万ユーロ)及びCUB事業の買収(2020年、買収額160億豪ドル)をはじめとして、国内外での事業領域拡大のため、積極的に外部の経営資源を獲得してきました。2020年6月には、CUB事業を取得する手続きを完了することで、日本、欧州に加え、オセアニア地域での事業を盤石にし、日本、欧州、オセアニアの3極を核としたグローバルプラットフォームを構築、成長基盤の拡大を実現しました。ここ数年は財務基盤の強化を優先し大型の買収は控えていましたが、今後条件が揃えば、成長のために、外部の経営資源を活用していきます。 外部の経営資源獲得にあたっては、慎重に検討を行い、一定の社内基準をもとに、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合のみ実行します。しかしながら、営業、人員、技術及び組織の統合ができずコスト削減等の期待したシナジー効果が創出できなかった場合、アルコールや砂糖の摂取に対する社会の価値観の変化や人口動態の変化等により、買収した事業における製品に対する継続的な需要を維持できない場合、買収した事業における優秀な人材を保持し又は従業員の士気を維持することができない場合、高付加価値ブランドの育成不振等、効果的なブランド及び製品ポートフォリオを構築することができない場合、並びに異なる製品ラインにおける販売及び市場戦略の連携(クロスセルの拡大)ができない場合等により、当社グループの期待する成果が得られない可能性があります。 当社グループは、買収に伴い、相当額ののれん及び無形資産を連結財政状態計算書に計上しており、2024年12月末現在、のれん及び無形資産の金額はそれぞれ、連結総資産の40.8%(22,034億円)及び21.3%(11,504億円)を占めています。 当社グループは、当該のれん及び無形資産につきまして、それぞれの事業価値及び将来の収益力を適切に反映したものと考えていますが、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が将来にわたって大きく損なわれると判断された場合、又はカントリーリスクの顕在化による金利高騰や市場縮小等により適用される割引率や長期成長率が大きく変動した場合等は、減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、AGP及び中長期経営方針に基づいた価値創造経営により、事業の持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指しています。『ビールを中心とした既存事業の成長と新規領域の拡大』、や『持続的成長を実現するためのコア戦略の推進』とともに、『長期戦略を支える経営基盤の強化』の一環としてグループガバナンスの更なる実効性向上に向けた取り組みを実施することで、グループ戦略の実行と期待成果をより確実なものとします。 2)アルコール摂取に対する社会の価値観 アルコールの摂取は人々の生活を豊かにしてきた一方で、その不適切な摂取は健康面あるいは社会的悪影響が指摘されています。世界保健機関(WHO)においては世界的な規模での酒類販売に関する規制が推奨されており、当社グループの予想を上回る規制強化が行われる可能性があります。将来、不適切な飲酒による酒類業界や当社グループのレピュテーション及びブランド価値を毀損する可能性や、行政による行動規制が重なると、アルコールに対する消費者の需要が縮小する可能性もあります。その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、アルコール飲料を製造・販売する企業としての社会的責任を果たすため、WHOが2022年5月に採択したグローバルアルコールアクションプラン2022-2030の中で掲げたグローバル目標「有害なアルコール使用20%低減」の達成に貢献する戦略の方向性を経営の中で議論し、地域ごとに貢献できる取り組みを進めています。グループ全体では、責任ある飲酒の取り組み促進のためにグループスローガン「Responsible Drinking Ambassador」を打ち出し、不適切な飲酒の撲滅に向けた活動を強化するとともに、社員に対する「責任ある飲酒」の研修の取り組みを推進してきました。今後さらに社会インパクトを創出する取り組みを強化していきます。また、新しい飲用機会の創出に向けた取り組みとして、2030年までにアサヒグループにおけるノンアルコール・低アルコールの販売構成比20%達成を目標に掲げ、アルコール起因の課題解決にも取り組んでいます。アサヒビール株式会社は2020年に「スマートドリンキング宣言」を発表し、商品ごとの純アルコール量の積極的な開示を開始しました。消費者が適正飲酒をスマートに実践できるようにするため、様々な度数の低アルコール飲料やノンアルコール飲料の商品開発とその販促強化を進めています。2022年にはノンアルコールや低アルコール飲料のメニューを100種提供し、飲む人も飲まない人も楽しめる『SUMADORI-BAR SHIBUYA(スマドリバー シブヤ)』を、2023年には、酔わなくても楽しめる新しい大人の嗜好品を提供するバー『THE 5th by SUMADORI-BAR』を展開するなど、新たな飲食店のあり方を提案しています。 アルコールの有害な使用の低減による健康被害の予防をさらに推進するためには産業界が協力し合って課題解決に取り組むことも重要です。酒類事業を行う各地の関連法令遵守のほか、IARD※をはじめとする業界団体や他業種の業界と協力・連携して販売や広告に関する自主基準を設け、責任あるマーケティングに取り組んでいます。2020年1月、IARDは加盟企業のCEOによる未成年者飲酒防止に向けた取り組みを推進する共同声明を発表しました。その中の一つとして、酒類に関するオンラインマーケティングが未成年者に届かないようにするデジタル・ガイディング・プリンシプル(DGP)の遵守率を2024年までに95%以上にすることを目標としました。当社グループは、IARDの目標設定を上回る100%の遵守を独自の目標として掲げ、2024年内にこれを達成しました。今後も当社は未成年者飲酒を防止するために、関連団体と協力しながら様々な取り組みを進めていきます。※ IARD=International Alliance for Responsible Drinking(責任ある飲酒国際連盟)の略称。不適切な飲酒の撲滅と、責任ある飲酒を促進するという共通の目的のもとに、世界のビール、ワイン、スピリッツの製造業者である大手企業15社の加盟企業で構成される非営利団体。 3)技術革新による新たなビジネスモデルの出現 当社グループが国内外で事業を展開する、酒類・飲料・食品業界は、その製造販売に関して、技術革新による競争環境の変化が比較的少ない安定した業界でしたが、最近では、低アルコール飲料、ノンアルコールビールテイスト飲料、BACによる新たな飲用シーンの提案ができるようになり、最新デジタル技術を活用して“変化するWell-Being”に応えることで新たな価値の提供、AI活用による各種業務の効率化、あるいはアルコール代替品等、技術革新による新たなビジネスモデルの可能性も示されています。さらに、2020年以降世界中へ拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワークの急激な普及や、EC等のオンラインチャネル利用の加速等、それまで将来的に発生すると想定されていた変化が前倒しで出現しています。 こうした環境変化や新たなビジネスモデルの出現により、当社グループ事業がコスト構造や顧客体験で劣後し、業界での主導権喪失や競争力の低下につながり、売上収益、事業利益の低下等、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。その一方で、当社グループがこのようなイノベーションを先導することによって、市場優位性獲得や、新規市場創出につなげることが期待できます。 当社グループは、このような状況に対して、単なるリスク対応に留まることなく技術革新を先取りすることを目指して、中長期経営方針において「DX=BX※と捉え、3つの領域(プロセス、組織、ビジネスモデル)でのイノベーションを推進」及び「R&D(研究開発)機能の強化による既存商品価値の向上・新たな商材や市場の創造」を掲げ、領域を特定した戦略的DX及びR&D投資を推進していきます。  DX領域においては、グローバル調達プラットフォーム、グローバルサプライチェーンマネジメント、環境負荷等サステナビリティ情報の見える化といった生産性を向上するグローカル基盤を構築するとともに、新たな消費者データ、多様化・細分化する顧客ニーズの把握と新しい素材や製法による新たなビジネスモデルの開発、及びこれらのイノベーションを実現するためのデジタル技術やデータ活用スキルの習得とアジャイル型働き方の導入によるデジタルネイティブ組織への変革を推進します。 R&Dにおいては、中長期的な社会環境や競争環境の変化を見据え、メガトレンドから策定した未来シナリオとこれまでの研究で蓄積してきた技術・知見・ノウハウを踏まえ、変化するアルコールに関する価値観に対応した新たな価値創造、消費者の身体と心の健康の実現、サステナビリティ実現に向けた環境・気候変動リスクの軽減、及び新規事業につながる非凡なシーズの開発を重点領域と位置づけ、新たな価値創造やリスク軽減に向けた商品・技術開発への投資を推進します。さらに、革新的技術を速やかに製品やサービスに落とし込むためにプロトタイピング機能やアジャイル開発能力の拡充を図り、RHQとの連携をより強化しながら、迅速な成果導出へとつなげていきます。 また、米国サンフランシスコに投資運用会社を設立し、2023年1月から運用を開始したスタートアップ投資ファンドは、低アルコール飲料やノンアルコールビールテイスト飲料、成人向け清涼飲料など、将来大きく成長する可能性のある魅力的なブランドや、新たな販売手法や製造手法につながるテクノロジーを持った米国のスタートアップ企業にマイノリティ出資を行い、当社グループの市場優位性獲得や、新規市場創出につながるイノベーションに貢献することが期待できます。※ DX=BX:デジタル・トランスフォーメーション = ビジネス・トランスフォーメーション 4)気候変動に関わるリスク 地球温暖化による気候変動は、干ばつや洪水といった異常気象の激化を引き起こし、世界中の人々の生活や多様な生態系に大きな影響を与えています。「自然の恵み」を享受して事業を行うアサヒグループにとって、気候変動問題への対策は重要な課題と認識しています。 当社グループは、「アサヒグループ環境ビジョン2050」の中で、「Beyondカーボンニュートラル」を2050年の世界のあるべき姿として掲げています。脱炭素社会に向けて、事業の枠を超えた社会全体におけるカーボン排出量が削減され、生物多様性が保全された世界を目指すため、バリューチェーンのCO2削減と生態系の保全の両立、CO2の排出量削減・吸収・回収の技術開発・展開などに取り組んでいきます。 将来的な気候変動が業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性がある物理リスクを以下の通り認識しています。海外の生産拠点における干ばつが深刻化し、水需給が逼迫、水価格の高騰による操業コストが上昇する可能性があります。気温上昇(生育環境や労働環境の変化)・天候・自然災害・CO2濃度等が需給バランスや品質に影響し、主要な原材料価格が変動する可能性があります。さらに、必要な水資源が確保できない場合、操業停止による機会損失と工場移転費用が発生する可能性があります。異常気象の激甚化により、深刻な風水害及び土砂災害が発生することで生産ラインや物流が停止し、設備被害や機会損失、製品廃棄による損失が発生する可能性があります。 また、将来的な気候変動を見据えた脱炭素社会への移行リスクを以下の通り認識しています。炭素税が導入され、特にPETボトル等の製品原材料への価格転嫁や生産拠点の操業コストが上昇する可能性があります。水ストレスの高い地域の生産拠点において取水制限を受けて操業が停止、機会損失が発生する可能性があります。エシカル志向の高まりにより、環境配慮が不十分な製品があった場合、その需要が低下し、当社グループの売上に影響を与える可能性があります。 当社グループは、脱炭素社会の速やかな実現を目指し、CO2排出量ゼロを目指す中長期目標「アサヒカーボンゼロ」を設定しています。この中期目標として、Scope1,2※においては、2025年に40%削減、2030年に70%削減、Scope3※においても、2030年に30%削減(ともに2019年比)の目標を設定しています。その上で、長期目標として掲げていたScope1,2,3におけるCO2排出量ネットゼロの目標年を2040年へ前倒しし、今後更なる省エネルギー化や再生可能エネルギーの活用を推進していきます。また、グループ全体で水使用量削減に向けた取り組みを進めて、水リスクに対応していきます。 気候変動によるリスクと機会に関連する事業インパクトの評価及び対応策の立案が、持続可能な社会の実現及び事業の持続可能性に不可欠であると認識し「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の提言への賛同を表明しています。※ Scope1は、自社(工場・オフィス・車など)での燃料の使用によるCO2の直接排出、Scope2は、自社が購入した電気・熱・蒸気の使用によるCO2の間接排出、Scope3は、自社のバリューチェーンからのCO2の排出を指します。 5)プラスチック使用 アサヒグループは、環境負荷低減に寄与しない容器包装への規制や、リサイクル素材やバイオ由来の素材の需要増加に伴うコスト増加、素材不足への対応が遅れることによる調達への影響、また、プラスチックに対する消費者の忌避感によって売上が減少する可能性を想定しており、そのリスク軽減に取り組む重要性を認識しています。 当社グループは、「アサヒグループ環境ビジョン2050」において2050年の世界のありたい姿として掲げた「容器包装廃棄物のない社会」の実現に向けて、「3R+Innovation」のもと推進してきたプラスチックの課題への対応を継続し、2030年までにPETボトルを100%、リサイクル素材またはバイオ由来の素材などへ切り替えることを目標とします。また、リデュースの取り組みや、環境負荷低減に寄与する新容器の開発にも取り組んでいきます。缶、びん、樽、紙など、その他の容器包装資材についても、3Rの観点から、省資源・軽量化・リサイクル性向上に努めます。それに基づき、グループ各社において様々な取り組みを進めています。 国内では、アサヒ飲料株式会社がリサイクルPET等リサイクル素材の使用、リデュースの推進、環境への配慮を前提とした新容器開発等に関する目標「容器包装2030」の達成に向けた取り組みを進めています。さらなる「ラベルレスボトル」製品の拡大やリサイクル素材活用拡大のために「ボトルtoボトル」の水平リサイクルを進めています。 業界の枠を超えた連携体制により使用済のプラスチックを再資源化する会社に共同出資も行い、中長期的なPET調達に向けた取り組みも強化しています。 また、2023年には飲料他社と共同で、複数の地方自治体との間で使用済みペットボトルを新たなペットボトルに再生する水平リサイクル「ボトルtoボトル」事業の連携協定を締結しました。各地で2024年から取り組みを開始し、プラスチック資源循環を推進しています。 海外では、オーストラリアの子会社Asahi Beverages Pty Ltdが、業界の枠を超えたパートナーシップ構築を通じて、PETボトルのリサイクルを推進しています。リサイクル大手企業や容器メーカーと合弁会社を設立し、2022年にはニューサウスウェールズ州でリサイクルPET樹脂のさらなる生産と供給のための工場を稼働しました。さらに2023年にビクトリア州で2拠点目のリサイクル工場の操業を開始しました。オーストラリアではミネラルウォーターブランド『Cool Ridge』でキャップとラベルを除いて、100%リサイクルPET樹脂を利用したボトルへ移行しています。 当社グループ全体として、プラスチックのリサイクル素材、バイオ由来の素材等のさらなる活用を推進していきます。 ② 短中期的に顕在化が懸念されるリスク1)主要原材料の調達リスク 当社がグローバルに事業展開する酒類・飲料・食品の製造においては、原材料の調達に関し、市況悪化による価格高騰、気候変動や自然災害及びパンデミック等による納期遅延や供給停止に陥るリスクがあります。このようなリスクに直面した場合、製造コストが上昇し、また製造数量が計画を下回ることで、グループの業績及び財政に大きな影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対し、当社では、コモディティリスクマネジメントポリシーを確立し、このポリシーのもと、特定コモディティについては、ガードレールに基づくヘッジを実践する等、グループグローバルで標準化したコモディティ管理の取り組みを行っています。 また、グループグローバル調達組織であるAsahi Global Procurement Pte. Ltd.が、コモディティ価格変動による影響の低減を目的に、グローバルリスクマネジメントコミッティを立ち上げ、グループの調達戦略をリードしています。 2)地政学的リスク 現在、当社グループは20を超える国に拠点を構え、グローバルに事業を展開しています。世界経済全体の動向に加え、当社グループが事業活動を展開する国・地域における政治、経済、社会、法規制、自然災害等の要素が、各事業に影響を与える可能性があります。 さらに、近年は、地政学的な要因が事業に影響を及ぼす可能性が高まっていると認識しています。例えば、ウクライナ情勢や中東情勢、台湾を巡る緊張の高まり、米国と中国の対立関係、自国第一主義の政策などの要因により、当社グループが事業を展開する複数の国・地域において、輸出入制限、新たな関税導入、差別的な措置、商品不買運動、技術の分断、データに関する規制等の具体的なリスクが想定され、同時に、今後の事業の強化やエリアの拡大を進める上でも影響を与える要素となります。地政学的な要因によりこれらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの中長期経営方針の実行や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。  当社グループは、地政学的リスクに関する動向の情報収集と分析をもとに、リスクシナリオの策定及びリスクの把握を行い、その影響を低減するための適切な対策の検討を進めていきます。また、事業展開国・地域のカントリーリスクの調査、情報収集、評価をもとに、リスクを早期に認識し、顕在化する前に具体的かつ適切な対処をする取り組みも継続しています。 3)情報セキュリティ 当社グループは、高い市場競争力を確保するため、事業活動の多くをITシステムに依存しています。停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、あるいはサイバー攻撃によって、事業活動の混乱、機密情報の喪失、個人情報の漏洩、詐欺被害、EU一般データ保護規則(GDPR)等の各国法令違反が発生する可能性があります。 このようなリスクが顕在化した場合、事業の中断、損害賠償請求やセキュリティ対策費用の増加等によるキャッシュアウト、GDPR違反による制裁金等により、当社グループの業績及び財政状態、並びに企業ブランド価値に影響を及ぼす可能性があります。 サイバー攻撃リスクの高まりへの対応としては2022年10月にグループ全体で遵守すべきサイバーセキュリティ基準を制定し、運用の徹底を図っています。当基準に準じて国内・海外グループ会社のサイバー攻撃対策状況を評価し、セキュリティ体制の維持及び向上に努めており、本件リスクが顕在化しないようにセキュリティの改善に取り組んでいます。また、当基準内でインシデント発生時の報告ルールを明示することでグループ全体でのインシデント情報を集約し、リスク対応の強化を目的とした体制整備も完了しています。 当社グループは、ビジネスの多様な分野における生成AIの活用を積極的に推進しています。我々は、この技術が企業の競争力を高める重要な要素であると認識しており、その有効な活用を通じて、業務効率の向上とイノベーションの促進を図っています。一方で、生成AIの使用に伴うリスクに対処するため、国内・海外グループ会社に適用される包括的なガイドラインを制定しました。このガイドラインは、生成AIの安全かつ責任ある使用を確実にするための運用基準と注意事項を定めており、リスクの軽減と管理に努めています。 また、オフィスのIT環境は高度なセキュリティ対策が施されていますが、工場などでの機器を制御し運用するシステムやその技術であるオペレーショナルテクノロジー(OT)環境はセキュリティ面で脆弱な場合があり、マルウェア等の攻撃対象となる可能性があります。当社グループは、当リスクの対策を定めた「OTセキュリティガイドライン」を制定、事業を展開している各地の生産拠点に導入しました。 4)多様で有能な人材の確保 中長期経営方針の目標達成には、多様な価値観や専門性を持つ社員の貢献が不可欠です。そのため、当社グループは社員の多様性を尊重し、一人ひとりの成長を支援する人材育成プログラムへの投資を増やし、必要に応じて、経営幹部や一般社員を外部から採用する取り組みを進めています。しかし、グローバルな事業の成長に伴う人材需要の増加や必要なスキルの変化、高度化により、多様で有能な経営幹部や一般社員の確保、育成、定着が難しく、中長期経営方針の戦略実行に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは中長期経営方針で「目指す事業ポートフォリオの構築やコア戦略を支える高度な人的資本の確保」を掲げ、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進を通じて、戦略を支える経営基盤を強化し、従業員のエンゲージメントを高める企業文化を醸成しています。定期的にエンゲージメント調査を実施し、望ましい企業文化の実現度を確認しています。 また、経営者候補の育成を計画的に進めるため、多様な人材の成長と活躍を促進する方針を明文化したグローバルタレントフィロソフィーやグループ全体で共通のコンピテンシーモデルを策定し、将来の経営幹部候補を育成するグローバルリーダーシッププログラムを実施し、人材パイプラインを拡充・強化しています。さらに、各地域の人材を可視化し、国籍や性別に関係なく適材適所で配置するためのタレントレビューを実施し、多様な有能な人材の活用を推進しています。新しいケイパビリティを獲得するために、社外からの人材登用も積極的に行っています。 ③ 継続的に顕在化を留意するリスク1)大規模自然災害 2024年1月に能登半島で発生した地震が甚大な被害をもたらすなど、国内外問わず世界各地で地震、津波、台風、洪水等の自然災害に関連するリスクは年々高まっており、大規模災害が現実のものとなっています。このような大規模自然災害の発生により、従業員の被害、工場損壊、設備故障及びユーティリティー(電気、ガス、水)遮断により製造が停止、倉庫損壊及び保管製品破損により出荷が停止、並びに物流機能停止により原材料資材の調達及び製品の出荷が不能になる可能性があります。さらに、事務所施設の損壊、交通機関マヒによる従業員の通勤不能、及びシステム障害に伴う重要データの消失等もあわせて、事業活動が停止する可能性があります。事業活動の復旧に長期を要した場合、施設等の改修に多額の費用が発生した場合、消費マインドが落ち込んだ場合等、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。  当社グループは、大規模災害が発生した際に、いち早く従業員及びその家族の安否を確認する仕組みを導入するとともに、大規模地震を含め災害リスクが高い日本においては、早急に被災地の被害状況を把握するため、災害時優先電話や災害用無線の配備をはじめとした緊急時通信体制の強化を進めています。そのうえで、定期的な訓練を実施することで、有事の対応力を強化するとともに、災害対応意識の啓発に努めています。 また、生産工場では、建物倒壊対策のため、全建物を対象に耐震診断を実施しており、対策が必要な物件については、順次計画的に補強工事を実施しています。ボイラー、冷凍機等の大型エネルギー供給設備には大地震(震度5弱相当)を検知すると、安全に自動停止する機能が付属し、大型ビール工場では電力供給が遮断した場合でも、自家発電によりタンクを冷却させることで、半製品の大量腐敗を防止する等2次災害のリスク低減対策を進めています。 また、主要グループ会社において、過去の防災対策の実績及び自然災害の経験を踏まえた「事業継続計画(BCP)」の策定を行い、主要商品の供給を継続するための需給調整機能を早急に復旧する体制を構築するとともに、受発注処理等に関する重要なデータを処理するサーバーセンターのバックアップセンターを設置する等、大規模な自然災害が起こった場合であっても被災地以外での事業活動が継続出来るように備えています。 なお、大規模な災害等が発生した際には、代表執行役社長Group CEOを本部長とした「緊急事態対策本部」を設置して対応する危機管理体制を構築しており、平常時のリスクマネジメントにおいて、顕在化した際に即時対応を要するリスクを抽出し、その影響度と必要な対応を想定することで、危機発生時にクライシスマネジメントへ寸断なく移行できるよう準備しています。あわせて、危機の類型に応じてRHQと当社の役割を明確にするとともに、危機発生時の情報ラインの整流化を図り、グローバルなクライシスマネジメント体制の強化も進めています。 これらの事前対策により災害による被害の最小化、当社グループの業績及び財政状態に対する影響の低減に努めています。 2)人権尊重に関わるリスク 近年、企業による人権尊重の活動を義務付ける気運は高まり、ステークホルダーからの企業の人権デューデリジェンス活動への期待も一層強まっています。こうした動向を背景に、自社の事業活動に関連する人権リスクに対して適切な対策が講じられない場合は、法令違反や経済的損失などのリスクが増大し中長期経営方針の事業遂行及び目標達成を阻害する可能性があります。 当社グループは、グローバルな企業グループとして、自社の事業活動が環境や人権に与える潜在的または実際的な影響を十分に認識しており、人権尊重をビジネスの基盤と位置付けています。2023年末には人権に関する最上位方針である「アサヒグループ人権方針」を改訂し、2024年以降、国連「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)」に準拠する取り組みを推進しています。さらに、人権方針を反映した事業活動の推進や全従業員の人権尊重への理解浸透も不可欠であるという認識のもと、活動を強化しています。 当社グループは、サプライチェーンと自社従業員に関する人権デューデリジェンス、及び人権侵害への被害者への救済の仕組みの構築・運用を優先事項として取り組んでいます。 サプライチェーンにおける人権デューデリジェンスについては、2023年に、2030年までに原材料一次サプライヤー(年間10万ドル以上取引のある既存の原材料及び包装資材のサプライヤー)へのリスクアセスメントを100%実施する目標を定め、2024年8月に「アサヒグループ責任ある調達プログラム」を策定し、原材料一次サプライヤーへのリスクアセスメントを段階的に進めています。 自社従業員に関する人権デューデリジェンスについては、2030年までにすべての事業展開国(ディストリビューターを通じた輸出事業を除く)においてUNGPsに準拠した活動が実行されており、継続的にPDCAをモニタリングできている状態を目指しています。2024年は高リスク国の全生産拠点におけるリスクアセスメントとその一部で第三者現地監査を実施しました。これらの結果に基づく是正対応も着実に進めています。 人権侵害の被害者への救済の仕組みの構築・運用については、2024年5月に事業展開国の現地語に対応可能な新しい内部通報制度「Speak Up」の運用を開始しました。24時間365日すべてのステークホルダーが通報しやすい環境を整備し、コンプライアンス問題や人権侵害を早期に認識して対応することを目指しています。 3)法規制とソフトローのコンプライアンス 当社グループは事業の遂行にあたって、食品衛生法、製造物責任法、労働関連規制、贈収賄規制、競争法、GDPR等の個人情報保護規則、環境関連法規等の様々な法規制の適用を受けています。これらの法令が変更される、又は予期し得ない法律、規制等が新たに導入される等の理由による法令違反や社会規範に反した行動等により、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受け、規制遵守対応のためのコストが増加し、又はお客様をはじめとしたステークホルダーの信頼を失うことにより、レピュテーションやブランド価値が毀損し、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。  当社グループは、事業活動を行う全ての国・地域において、適用される法令・ルールを遵守することを含め、「Asahi Group Philosophy」で示したステークホルダーに対する5つのPrinciplesに基づき、企業倫理・コンプライアンスを実践するための「アサヒグループ行動規範」を制定し、グループ全体での実践を推進しています。そして、代表執行役社長Group CEOが委員長を務め、代表執行役社長Group CEO以下の執行役、Group CxO及び委員長が任命したFunctionのHeadで構成される「コンプライアンス委員会」を設置し、グループ全体の企業倫理・コンプライアンスを推進・監督するとともに、「アサヒグループ行動規範」に関する社員の研修等を通じてコンプライアンスのレベルを高め、法令違反や社会規範に反した行為等の発生可能性を低減するよう努めています。 ④ 個別戦略リスクのヒートマップ ⑤ 個別戦略リスクの経営方針・戦略との関連性 (3)その他リスク1)品質について 当社グループは、研究開発、調達、生産、物流、販売、お客様とのコミュニケーションに至る全てのプロセスにおいて、お客様の期待を超える商品・サービスを提供することで、お客様の満足を追求することをグループ品質基本方針とし、いずれのグループ会社も品質を通して、お客様との信頼関係を築くことに不断の努力を続けています。お客様の健康に密接に関連する事業を展開しているため、万一、不測の事態により、お客様の健康を脅かす可能性が生じたときは、お客様の安全を最優先に考え、迅速に対応します。 しかしながら、万一、品質に問題が生じて、商品の安全性に疑義が持たれた場合には、商品の回収や製造の中止を余儀なくされ、その対応に費用や時間を要するだけでなく、お客様からの信頼を失う可能性があります。このような事象が発生した場合、中長期経営方針に掲げた「既存地域でのプレミアム化とグローバルブランドによる成長、展開エリアの拡大」の未達を含む、当社グループの業績及び財政状態、並びにレピュテーション及びブランド価値に対して影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、品質リスク低減を目的とした品質保証レベル向上の取り組みとして、サプライチェーンの全てのプロセスにおいて、品質に影響を与える業務や注意すべき事項を抽出し、その点検と是正による改善のPDCAサイクルをグローバル共通の仕組みとして展開しています。 また、食の安全に関わる分野においては、研究開発部門を中心に微生物・農薬・カビ毒・重金属・樹脂・放射性物質等多岐にわたる最新の分析技術を開発しており、グループ内の連携によりグローバルでの品質保証活動を展開する体制・仕組みを通じて、技術面からグループ全体をサポートしています。 さらに、各グループ会社の商品特性や製造工場の環境に応じて、国際的な品質・食品安全マネジメントシステムの考え方を取り入れ、必要に応じて外部認証取得しています。 2)財務リスク為替変動:     当社グループはグローバルに事業を展開しているため為替リスクを負っています。このうち、海外子会社及び関連会社における資産や負債については円高が進行すると在外営業活動体の換算差額を通じて自己資本が減少するリスクがあります。このため、必要に応じて為替リスクのヘッジをする等の施策を実行していますが、完全にリスクが回避できるわけではありません。また、海外連結子会社等の損益の連結純利益に占める割合が比較的高く、これらの収益の多くが外貨建てであり、当社の報告通貨が円であることから、外国通貨に対して円高が進むと、連結純利益にマイナスのインパクトを与えます。一方、本国で行う輸出入、及び外国間等の貿易取引から発生する、外貨建債権及び債務等は為替レートの変動によるリスクを有しておりますが、このリスクは為替予約等と相殺されるため影響は限定されます。金利変動:     当社グループは銀行預金や国債等の金融資産及び銀行借入金や社債、リース負債等の負債を保有しております。これらの資産及び負債に係る金利の変動は受取利息及び支払利息の増減、あるいは金融資産及び金融負債の価値に影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、金利リスクを回避する目的で、金利を実質的に固定化する金利スワップを利用することがあります。またヘッジ会計の要件を満たす取引については、ヘッジ会計を適用しております。格付低下:     当社グループに対する外部格付機関による格付けが引き下げとなり、当社グループの資本・資金調達の取引条件の悪化、もしくは取引そのものが制限される場合には、当社グループの業務運営や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。保有資産の価格変動:当社グループが保有する土地や有価証券等の資産価値の下落や事業環境の変化等があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3)税務リスク 当社グループはグローバルに事業を展開しており、本国をはじめとする、各国の税制による適用を受けており、予期し得ない改正や税務当局からの更正処分を受けた場合、大幅なコストの増加、競争環境の悪化、事業活動の制限等が懸念され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4)訴訟リスク 当社グループは、事業を遂行していくうえで、訴訟を提起される可能性があります。万一当社グループが訴訟を提起された場合、また訴訟の結果によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
事業方針・経営環境 FY2025 / 約6,391字
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中には、中期経営方針等に関する様々な業績予想及び目標数値、並びにその他の将来に関する情報が開示されています。これらの業績予想及び目標数値、並びにその他の将来に関する情報は、将来の事象についての現時点における仮定及び予想、並びにアサヒグループが現在入手可能な情報や一定の前提に基づいているため、今後様々な要因により変化を余儀なくされるものであり、これらの予想や目標の達成及び将来の業績を保証するものではありません。 (1)グループ理念 アサヒグループは、純粋持株会社であるアサヒグループホールディングス株式会社のもと、日本、欧州、オセアニア、東南アジアを核として主に酒類、飲料、食品事業を展開しています。 グループ理念「Asahi Group Philosophy(AGP)」に基づき、未来のステークホルダーからも信頼されるグループを目指しています。AGPは、Mission、Vision、Values、Principlesで構成され、グループの使命やありたい姿に加え、受け継がれてきた大切にする価値観とステークホルダーに対する行動指針・約束を掲げています。また、AGPを補完するコーポレートステートメントとして、「Make the world shine “おいしさと楽しさ”で、世界に輝きを」を策定し、AGPの社会的な価値や意義を表明しています。 (2)中長期経営方針 AGPの実践に向けて、『中長期経営方針』では、長期戦略のコンセプトとして「おいしさと楽しさで“変化するWell-being”に応え、持続可能な社会の実現に貢献する」ことを掲げています。 目指す事業ポートフォリオの実現に向けた取り組みを推進するとともに、サステナビリティと経営の統合、DX (デジタル・トランスフォーメーション)やR&D(研究開発)といったコア戦略の一層の強化を図ります。また、人的資本の高度化やグループガバナンスの進化など戦略基盤を強化することにより、持続的な成長と全てのステークホルダーとの共創による企業価値向上を目指しています。1.『中長期経営方針』:長期戦略の概要※ BX:ビジネス・トランスフォーメーションの略 2.目指す事業ポートフォリオ 長期戦略における事業ポートフォリオでは、人々のウエルビーイングの変化に応えていくなかでの「リスクと機会」を捉え、ビールを中心とした既存事業の持続的成長に加えて、その事業基盤を活かした周辺領域や新規事業・サービスの拡大を目指しています。 既存事業については、主力ブランドを中心としたプレミアム戦略の推進などにより、各地域において販売単価の向上を実現したほか、『Asahi Super Dry』と『Peroni Nastro Azzurro』を中心とした世界的なパートナーシップの強化などにより、グローバル5ブランド全体で販売数量は前年比5%増加しました。 新規領域については、各地域でのノンアルコールや低アルコールカテゴリーの取り組みを推進するなど、BAC※への投資強化による新市場拡大を図りました。また、新たな成長ドライバーの探索を目指して設立した米国投資運用会社の本格的な稼働に加えて、酵母・乳酸菌技術を活用した新たな領域拡大やデジタル技術を活かした新サービスの開発に取り組みました。 今後もビールを中心に培ってきたケイパビリティや事業基盤を活かし、BACや新商材・新サービスの領域で成長機会を拡大することで、最適な事業ポートフォリオを構築していきます。※ BAC:Beer Adjacent Categoriesの略。低アルコール飲料、ノンアルコールビール、成人向け清涼飲料など、ビール隣接カテゴリーを指します。 3.コア戦略 ―サステナビリティ戦略― アサヒグループは、「サステナビリティと経営の統合」を掲げ、持続的な成長とさまざまなステークホルダーとの共創による企業価値向上を目指していきます。 事業成長と社会価値の創出の最大化を目指して、重点方針を定めているほか、経営課題として取り組む領域を特定したマテリアリティ・取り組みテーマを設定し、適切で実効性のある取り組みにつなげています。 詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 4.コア戦略 ―DX戦略― アサヒグループのDXは単なるデジタライゼーションではなく、生き残りをかけた経営改革であると認識しており、DX=BXと捉え、「Business」「Process」「Organization」の領域において、三位一体でイノベーションを推進しています。 ①Business Innovation 一人ひとりのウエルビーイングの形を捉え、パーソナライゼーションモデルの実現を目指します。また、デジタル技術でサステナビリティに関する課題を解決し、人々のサステナブルな生活の実現に向けた取り組みを推進していきます。 ②Process Innovation グローバル調達で規模の経済を実現し、調達コストやリスクを最適化するとともに、サプライチェーン、サステナビリティチームとIT組織が協働し、当社のサステナビリティに関わるあらゆる情報・データを収集・集計するための最適なソリューションの導入に向け、取り組んでいます。 ③Organization Innovation デジタルネイティブ組織への変革を目指し、各機能・組織がIT/データ活用スキルを当たり前のスキルとして持つ「IT/データ活用の民主化」を目指します。また、アジャイルな働き方※の導入を同時に進めていきます。※ 柔軟性と迅速性を重視し変化に素早く対応する働き方 5.コア戦略 ―R&D戦略― R&D戦略においては、中長期的な社会環境や競争環境の変化を見据え、メガトレンドからバックキャストで導いた未来シナリオとこれまでの研究で蓄積してきた技術・知見・ノウハウを踏まえ、以下の4つを重点領域として位置付け、新たな価値創造やリスク軽減に向けた商品・技術開発に取り組んでいます。また、海外を含む拠点間での技術シナジーの醸成、異分野とのオープンイノベーション活用による新たな価値創造にも積極的に取り組んでいます。 ①アルコール関連 アルコールに対するニーズの多様化や社会の変化に対応し、BAC領域において新たな価値を創造するための研究開発に取り組んでいます。長年培ってきた酵母育種、発酵プロセス、調香、官能評価などの技術をベースとしつつ、心理学、脳科学、AI(人工知能)などの最先端の技術を獲得し組み合わせることで、嗜好性や機能性のみならず、環境影響及びコストといった側面における優位性を追求しています。 中長期的な市場トレンドをグローバル・ローカルの両面から捉えて技術課題に落とし込み、研究から製品化に至るまでの一連の開発機能を強化することで更なる研究成果の導出を目指します。 ②ヘルス&ウェルネス 消費者の健康志向の高まりに対し、身体や心の健康をサポートするソリューションを提供することで、人々の健康維持増進への貢献に取り組んでいます。 健康な人の免疫機能の維持に役立つ「L-92乳酸菌」や、心理的なストレスを和らげ、睡眠の質(眠りの深さ)を高める機能や腸内環境を整える機能を持つ「ガセリ菌CP2305株」など、オリジナルの機能性乳酸菌についてグローバル活用に向けた取り組みを進めています。「ガセリ菌CP2305株」による睡眠の質と腸内環境の改善機能については、豪州において、現地当局への表示届出が受理されました。 今後、日本国内のみならず海外においても人々の健康で豊かな生活をサポートするヘルス&ウェルネス研究を強化し、新しい価値提案を目指します。 ③サステナビリティ 環境・エネルギー分野における技術実装、気候変動に伴う原料コスト影響の最小化、容器包装の環境負荷低減などのサステナビリティに関する研究開発を通じ、社会的責務を果たすとともに、持続的な社会の発展に貢献しています。 環境分野においては、缶、びん、PETボトルなどの使い捨て容器の使用が廃止される未来を見据え、使い捨て容器を使用しなくても強炭酸が楽しめるサーバー『EXTRA BURST』を開発しました。2024年からオフィスやホテル向けのサービスを開始し、2025年内に家庭用サーバーの展開を目指します。さらに、繰り返し使用可能な専用タンブラーと併用することで、PETボトルなどの使い捨て容器と比較して大幅に環境負荷を低減した、サステナブルな飲料提供を目指しています。 本取り組み以外に、グリーンエネルギー技術や副産物利用技術の開発にも力を入れており、今後も環境負荷低減の実効性向上を目指します。 ④新規事業 中長期的に目指す事業ポートフォリオの実現に向け、グループ内外の技術とビジネスモデルとの掛け合わせ等により、新規事業につながる非凡なシーズの創出に取り組んでいます。 アサヒグループがこれまでに活用してきた酵母や乳酸菌などの微生物関連技術に、AI・デジタル技術をはじめとした、さまざまな次世代技術を新たな視点をもって組み合わせることで、これまでにない新価値を創出し、新規事業を開拓していきます。 これらを実現するために、グローバル視点で革新的な外部技術を取り入れ、異分野技術の融合を積極的に推進することでイノベーション創出を目指します。 6.人的資本の高度化 アサヒグループでは、「ありたい企業風土の醸成」、「継続的な経営者人材の育成」及び「必要となるケイパビリティ※の獲得」の3つの取り組みを通じ、経営基盤を強化し、競争優位の源泉となる「人的資本の高度化」を実現することで、従業員と会社が共に成長し、中長期的な企業価値の向上を推進しています。※ 戦略を実現するために必要な組織的能力 詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」をご参照ください。 (3)中期的なガイドライン 主要指標のガイドライン及び財務方針は、2024年までの進捗や資本市場との対話を踏まえ、改めて2030年までを目処として以下のとおり更新しました。 主要指標については、収益性において、EPSのCAGR(年平均成長率)として「一桁台後半から二桁」をコミットするとともに、事業利益においても、成長戦略の加速などにより金額と利益率の持続的な向上を図っていきます。収益性の指標は、利益成長と資本政策が反映されるEPSに一本化し、資本市場との目線を合わせたうえで、更なるエンゲージメントを促進します。また、株価のバリュエーション改善には、収益性だけでなく資本効率の向上を図る必要があり、今後は、ROEとROIC※1を主要指標として追加します。 財務方針については、引き続き、財務健全性を確保(Net Debt/EBITDA※2:2.5~3倍程度)しつつ、成長投資を優先してまいりますが、財務戦略の柔軟性が高まったことを踏まえ、資本効率の向上や株主還元の充実にも資本を配分していきます。また、株主還元については、より安定的な増配を継続すべく、DOE※34%以上を目指した累進配当※4及び機動的な自社株買いを行っていきます。 引き続き、規律ある成長投資により、事業ポートフォリオの強靭化やコア戦略を力強く推進するとともに、財務戦略による資本効率の向上、資本市場とのエンゲージメントによる資本コスト低減などに取り組み、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指していきます。※1 税引後事業利益を、純有利子負債と親会社の所有者に帰属する持分合計(ただし、在外営業活動体の換算差額とその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融商品への投資の公正価値の変動などを控除したもの)の合計で除して算出。※2 Net Debt/EBITDA(EBITDA純有利子負債倍率)=(金融債務-現預金)/EBITDA。ただし、劣後債の50%はNet Debtから除いて算出。※3 配当総額を、親会社の所有者に帰属する持分合計で除して算出。※4 累進配当とは、1株当たりの配当金額を毎年増配又は最低でも横ばいの水準で配当し続けることです。 ■主要指標のガイドライン 2030年までのガイドライン2024年実績EPS(調整後EPS※1)・CAGR(年平均成長率):一桁台後半~二桁(CAGR(年平均成長率):一桁台後半~二桁)EPS:126.66円(調整後EPS:120.65円)ROE(調整後ROE※2)・11%以上 ※株主資本コスト:8%程度(14%以上)7.5%(10.7%)ROIC・10%以上※WACC(加重平均資本コスト):5.5~6%程度6.9%※1 調整後EPSは、事業ポートフォリオの再構築や減損損失など一時的な特殊要因を控除して算出。※2 調整後ROEは、調整後親会社の所有者に帰属する当期利益(親会社の所有者に帰属する当期利益から、事業ポートフォリオの再構築や減損損失など一時的な特殊要因を控除したもの)を親会社の所有者に帰属する持分合計(ただし、在外営業活動体の換算差額とその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融商品への投資の公正価値の変動などを控除したもの)で除して算出。 ■財務方針 2030年までのガイドライン2024年実績株主還元・DOE:4%以上を目指した累進配当+機動的な自社株買い2.9%財務健全性・Net Debt/EBITDA:2.5~3倍程度を維持2.49倍 (4)対処すべき課題 中長期的な外部環境としては、テクノロジーの発展が人類に新たな技術力と自由な時間を与え、気候変動・資源不足といった地球規模の課題を抱える中、社会・経済だけではなく人類の幸福(Well-being)のあり方も変化していくものと想定されます。 そうしたメガトレンドを踏まえて更新した『中長期経営方針』に基づき、各地域統括会社は、既存事業の持続的成長に加えて、その事業基盤を活かした周辺領域や新規事業・サービスを拡大していきます。さらに、サステナビリティと経営の統合などコア戦略の一層の強化により、グループ全体で企業価値の向上に努めていきます。<地域統括会社の中期重点戦略>[日本]① 変化を先読みする商品ポートフォリオ最適化とシナジー創出による日本事業のポテンシャル拡大② ニーズの多様化に対応したスマートドリンキングなどの推進、高付加価値型サービスの創造③ カーボンニュートラルなど社会課題の事業による解決、日本全体でのサプライチェーン最適化[欧州]① グローバル5ブランドの拡大と強いローカルブランドを軸としたプレミアム戦略の強化② ノンアルコールビールやクラフトビール、RTDなど高付加価値商品を軸とした成長の加速③ 再生エネルギーの積極活用や循環可能な容器包装の展開など環境負荷低減施策の推進[オセアニア]① 酒類と飲料を融合したマルチビバレッジ戦略の推進、統合シナジーの創出② BACなど成長領域でのイノベーションの推進、健康・Well-beingカテゴリーの強化③ 新容器・包装形態などサステナビリティを重視した新価値提案、SCM改革の推進[東南アジア]① マレーシアの持続成長と自社ブランドの強化など、域内6億人超の成長市場での基盤拡大② 植物由来商品など新セグメントの拡大による最適なプレミアムポートフォリオの構築③ 環境配慮型容器の展開などによる持続可能性の確保や原材料調達での地域社会との共創
経営者による分析 FY2025 / 約12,083字
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(業績等の概要)(1)業績 当期における世界経済は、米国においては、底堅い個人消費を背景に景気は堅調に推移し、欧州においては、インフレ圧力の緩和とともに、景気の持ち直しが見られました。また、日本においても、物価高騰の影響を受けつつも、雇用・所得環境の改善に伴う個人消費の増加により、景気は緩やかな回復の兆しが見られました。 こうした状況のなかアサヒグループは、『中長期経営方針』に基づき、各地域におけるプレミアム戦略の推進などによる事業ポートフォリオの強靭化に取り組みました。また、サステナビリティと経営の統合をはじめとしたコア戦略の一層の推進に加えて、真のグローバル化に向けた人的資本の高度化やグループガバナンスの強化により、長期戦略を支える経営基盤を強化しました。 その結果、アサヒグループの売上収益は2兆9,394億2千2百万円(前期比6.2%増)となりました。また、利益については、事業利益※1は2,851億2千1百万円(前期比8.1%増)、営業利益は2,690億5千2百万円(前期比9.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,920億8千万円(前期比17.1%増)、調整後親会社の所有者に帰属する当期利益※2は1,829億7千7百万円(前期比10.5%増)となりました。 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前期比2.1%の増収、事業利益は前期比3.7%の増益となりました。※3※1 事業利益とは、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した、恒常的な事業の業績を測る当社独自の利益指標です。※2 調整後親会社の所有者に帰属する当期利益とは、親会社の所有者に帰属する当期利益から事業ポートフォリオ再構築及び減損損失など一時的な特殊要因を控除したものです。※3 2024年の外貨金額を、2023年の為替レートで円換算して比較しています。 アサヒグループの実績         (単位:百万円) 実績前期比売上収益2,939,4226.2%事業利益285,1218.1%営業利益269,0529.8%親会社の所有者に帰属する当期利益192,08017.1%調整後親会社の所有者に帰属する当期利益182,97710.5%  当年度の財政状態の状況は、連結総資産は前年度末と比較して1,174億9千1百万円増加し、5兆4,034億5百万円、負債は前年度末と比較して907億7千8百万円減少し、2兆7,293億5千3百万円となりました。また、資本は前年度末に比べ2,082億7千万円増加し、2兆6,740億5千1百万円となりました。  セグメントの業績は次の通りです。各セグメントの売上収益はセグメント間の内部売上収益を含んでおります。 事業セグメント別の実績(単位:百万円) 売上収益前期比事業利益前期比売上収益事業利益率営業利益前期比 為替一定 為替一定日本1,362,8740.0%0.0%134,90312.9%12.9%9.9%136,27222.5%欧州781,00513.4%4.6%101,14018.9%11.1%13.0%65,82210.7%オセアニア715,3949.7%2.4%108,798△1.7%△8.2%15.2%81,844△8.7%東南アジア66,13814.4%6.9%1,86233.2%23.9%2.8%1,78376.6%その他26,47022.9%19.0%4,179△21.5%△22.4%15.8%3,844△25.7%調整額計△12,459--△26,333---△20,516-無形資産償却費---△39,430-----合計2,939,4226.2%2.1%285,1218.1%3.7%9.7%269,0529.8%※1 為替一定とは、当期の外貨金額を、前年同期の為替レートで円換算したものです。※2 営業利益における無形資産償却費は各事業に配賦しています。 [日本] 日本においては、酒類、飲料、食品事業の主力ブランドに経営資源を投下するとともに、新たな価値提案の強化などにより、成長基盤の拡大に取り組みました。また、各事業の枠を超えたシナジー創出に加えて、人的資本や組織機能の高度化、サステナビリティへの取り組み推進などにより、日本全体の経営基盤を強化しました。 酒類事業では、ビール類において、「スーパードライ」の世界観に没入できるコンセプトショップを期間限定でオープンするなど広告・販売促進活動の強化に加え、『アサヒスーパードライ ドライクリスタル』をリニューアルするなど、「スーパードライ」ブランドの価値向上に取り組みました。また、『アサヒ生ビール』の世界観を体験できる「出張マルエフ横丁」を展開するなど、ビールカテゴリーの更なる強化を図りました。洋酒においては、ニッカウヰスキー創業90周年の取り組みとして、マスターブランドの活性化や期間限定バー「THE NIKKA WHISKY TOKYO」の展開に加え、10月に『ニッカ フロンティア』を全国発売するなど、新たなユーザーの獲得に取り組みました。RTD※1においては、『アサヒGINON(ジノン)』の全国発売に加え、『未来のレモンサワー』をエリア・数量限定で発売するなど、新価値創造を推進しました。アルコールテイスト飲料においては、『アサヒゼロ』の全国発売に加え、お酒を飲む人と飲まない人が共に楽しめる生活文化の創造を目指し、「スマートドリンキング」の推進に取り組みました。 飲料事業では、生誕140周年の「三ツ矢サイダー」や生誕120周年の「ウィルキンソン」ブランドにおいて、広告・販促活動の強化によるブランド価値向上や炭酸飲用者の拡大の取り組みに加え、緑茶ブランド『アサヒ 颯(そう)』のパッケージをリニューアルし香り高い味わいを訴求するなど、市場の活性化を図りました。また、健康な人の免疫機能の維持に役立つ機能が報告されている「L-92乳酸菌」を配合した機能性表示食品『三ツ矢免疫サポート』を発売するなど、健康志向を踏まえた価値提案に取り組みました。 食品事業では、「ミンティア」において、人気アニメとコラボレーションしたパッケージ商品の発売に加え、強いミントの清涼感が楽しめる『ミンティアブリーズ ウルトラブラック』をリニューアルするなど、ユーザー層の拡大を図りました。また、月経に関する機能性を訴求したフェムケア※2商品『わたしプロローグ』を発売するなど、女性の健康課題解決への貢献にも取り組みました。 以上の結果、売上収益は、外食事業からの撤退による減収影響などはありましたが、酒類事業、飲料事業、食品事業が増収となり、1兆3,628億7千4百万円(前期比0.0%増)となりました。 事業利益は、原材料関連費用の増加などの影響はあったものの、価格改定の効果や各種コストの効率化などにより、1,349億3百万円(前期比12.9%増)となりました。※1 RTD:Ready To Drinkの略。購入後、そのまま飲用可能な缶チューハイなどを指します。※2 フェムケアとは、女性の体や健康をケアすることです。 [欧州] 欧州においては、各国のプレミアム戦略に基づく競争優位性の向上に加えて、『Asahi Super Dry』や『Peroni Nastro Azzurro』を軸とした世界的なパートナーシップの活用などにより、グローバルブランドの認知度向上を図りました。また、「環境」や「コミュニティ」を中心としたサステナビリティへの取り組みを強化することなどにより、成長基盤を更に拡大しました。 欧州の主要地域では、チェコにおいて、『Pilsner Urquell』や『Radegast』などの主力ブランドにおけるプロモーションを強化したことに加えて、新たな消費者の開拓に向けて、苦みとアルコール度数を抑えたラガービール『Proud』を発売しました。また、イタリアでのプレミアムラガービール『Raffo Lavorazione Grezza』の発売に加えて、ルーマニアでの『Kozel』や『Ciucas』におけるフェスティバルへの協賛や参加などにより、ブランド価値の向上に取り組みました。さらに、ノンアルコールビールにおいて、チェコの『Birell』からカフェインなどを加えた新たなシリーズの発売や、ポーランドの『Lech Free』や『Tyskie 0.0%』、ルーマニアの『Ursus Cooler』などを積極的に展開し、新たな飲用機会の創出に向けた取り組みを強化しました。 グローバルブランドの拡大展開では、『Asahi Super Dry』において、ラグビーワールドカップのパートナーシップを2029年大会まで延長したほか、「City Football Group」とのパートナーシップを活かしたマーケティング活動に取り組みました。『Peroni Nastro Azzurro』においては、プレミアムな世界観を演出するためのプロモーションを展開したほか、F1チーム「Scuderia Ferrari」と新たなパートナーシップを開始したノンアルコールビール『Peroni Nastro Azzurro 0.0%』において、F1のイタリアグランプリを記念して、ブランド体験型の施設「The House of Peroni Nastro Azzurro 0.0%」をミラノに期間限定で展開するなど、グローバルでのブランド認知度の向上に努めました。 以上の結果、売上収益は、各国のプレミアムビールやノンアルコールビール、グローバルブランドなどが好調に推移したことで、7,810億5百万円(前期比13.4%増)となりました。 事業利益は、人件費などは増加しましたが、増収効果や各種コストの効率化を推進したことにより、1,011億4千万円(前期比18.9%増)となりました。 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前期比4.6%の増収、事業利益は前期比11.1%の増益となりました。 [オセアニア] オセアニアにおいては、『Great Northern』など主力ブランドを中心とした持続的な成長に加え、酒類と飲料事業の強みを活かしたマルチビバレッジ戦略により、商品ポートフォリオの強化を図りました。また、各種オペレーションの最適化などによる収益構造改革やサステナビリティを重視した新価値提案などにより、事業基盤を一層強化しました。 酒類事業では、主力ブランドの『Victoria Bitter』において、高まる健康需要に応えるべく低糖質のビールを新たに発売しました。また、『Peroni Nastro Azzurro』や『Somersby』ブランドにおいて全豪オープンテニストーナメントとのスポンサーシップを継続したほか、RTDブランド『Hard Rated』の新たなフレーバーの発売や、「Nikka」ブランドの拡販を加速しました。さらに、プレミアムスピリッツ製造販売企業であるNever Never社を買収するなど、ブランド力の強化とさまざまなニーズに対応した酒類事業全体のポートフォリオ拡充を図りました。 飲料事業では、「Pepsi」ブランドにおいてリニューアルを行い伝統的な価値観と最新のトレンドを融合させたほか、「Schweppes」ブランドにおいて国立美術館とのパートナーシップを強化するなど、主力ブランドの価値向上に取り組みました。 さらに、豪州では、先住民社会との協調活動を通じて、コミュニティのウエルビーイングを尊重するなど、展開地域との「つながり」を強化するとともに、ニューサウスウェールズ州最大の太陽光発電プロジェクトから電力調達を開始するなど、サステナビリティの取り組みを推進しました。 以上の結果、売上収益は、酒類事業の主力ブランドの販売減少はあったものの、飲料事業の好調などにより、7,153億9千4百万円(前期比9.7%増)となりました。 事業利益は、原材料関連の費用増加などの影響により、1,087億9千8百万円(前期比1.7%減)となりました。 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前期比2.4%の増収、事業利益は前期比8.2%の減益となりました。 [東南アジア] 東南アジアにおいては、自社ブランドを中心とした主力ブランドへの投資強化や販売チャネルの最適化を推進し、マレーシアなど展開国における収益性向上の取り組みを推進しました。また、健康需要の取り込みやDX投資、人材育成などの強化を通じて、成長基盤の拡大を図りました。 マレーシアでは、「WONDA」において地元の人気キャラクターとのコラボ商品である『Wonda Kluang Coffee』を新発売し、地域に即した価値提案を消費者へ訴求することでブランド力を強化しました。また、『Goodday』では、eスポーツ向けのマーケティングを積極的に展開することで、幅広い年齢層のユーザーに対して、革新的な価値提案を図りました。 以上の結果、売上収益は、主力ブランドの販売が好調に推移したことに加え、価格改定の効果や為替変動の影響などにより、661億3千8百万円(前期比14.4%増)となりました。 事業利益は、固定費全般の効率化などを推進したことにより、18億6千2百万円(前期比33.2%増)となりました。 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前期比6.9%の増収、事業利益は前期比23.9%の増益となりました。 [その他] その他については、売上収益は264億7千万円(前期比22.9%増)、事業利益は41億7千9百万円(前期比21.5%減)となりました。 [『中長期経営方針』の中期的なガイドラインの進捗] 「主要指標のガイドライン」については、各地域におけるプレミアム戦略の推進や適切な価格戦略による売上単価の向上に取り組みましたが、インフレの進行や原材料価格の上昇に加えて、将来を見据えたブランド投資の拡大などにより、事業利益(為替一定ベース)及びEPS(調整後)はガイドラインを下回りました。フリー・キャッシュ・フロー(FCF)については、有形固定資産の売却や運転資本の圧縮などのキャッシュ創出により、ガイドラインを上回りました。 「財務方針のガイドライン」については、FCFを金融債務の削減に充当したことなどにより、Net Debt/EBITDA※1はガイドライン以上に低下させることができました。また、株主還元については、当期は1株当たりの配当額を49円※2に増額することにより、配当性向のガイドラインを上回りました。※1 Net Debt/EBITDA(EBITDA純有利子負債倍率)=(金融債務-現預金)/EBITDA※2 2024年10月1日を効力発生日とする株式分割(1株につき3株の割合)を考慮し、当該効力発生日以前の1株当たりの配当金を調整のうえ、記載しております。 ■主要指標のガイドライン 3年程度を想定したガイドライン2022-24年進捗事業利益・CAGR(年平均成長率):一桁台後半※1CAGR:4.7%EPS(調整後※2)・CAGR(年平均成長率):一桁台後半CAGR:5.9%FCF※3・年平均2,000億円以上年平均:2,530億円※1 為替一定ベース※2 調整後とは、事業ポートフォリオの再構築や減損損失など一時的な特殊要因を除いたものです。※3 FCF=営業CF-投資CF (M&A等の事業再構築を除く)(注)「主要指標のガイドライン」におけるFCFの金額は、表示単位未満を四捨五入して表示しております。 ■財務方針のガイドライン 2022年以降のガイドライン2024年実績成長投資・債務削減・FCFは債務削減へ優先的に充当し、成長投資への余力を高める・Net Debt/EBITDAは2024年に3倍程度を目指す(劣後債の50%はNet Debtから除いて算出)2.49倍株主還元・配当性向※35%程度を目途とした安定的な増配(配当性向は2025年までに40%を目指す)40.6%※ 配当性向は、親会社の所有者に帰属する当期利益から事業ポートフォリオ再構築及び減損損失などに係る一時的な損益(税金費用控除後)を控除して算出しております。 (2)キャッシュ・フローの状況 当年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益が2,669億9千万円となりましたが、法人所得税等の支払による減少があった一方で、減価償却費等の非キャッシュ項目による増加や運転資本の効率化により、4,037億2千3百万円(前期比:561億7千5百万円の収入増)の収入となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより、1,186億6千5百万円(前期比:9億5千2百万円の支出増)の支出となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入があった一方で、社債の償還や借入金の返済による支出などがあり、2,727億8千4百万円(前期比:460億3千8百万円の支出増)の支出となりました。 以上の結果、当年度末では、前年度末と比較して現金及び現金同等物の残高は240億1千6百万円増加し、839億6千1百万円となりました。 (生産、受注及び販売の状況)(1)生産実績 当年度におけるセグメントごとの生産実績は以下の通りであります。セグメントの名称金額前期比日本1,281,852百万円0.9%欧州623,466百万円10.3%オセアニア598,264百万円7.7%東南アジア53,232百万円14.9%(注)1 金額は、販売価額によっております。2 IFRS会計基準に基づく金額を記載しております。3 日本の生産高には、外部への製造委託を含めております。 (2)受注実績 当社グループでは受注生産はほとんど行っておりません。 (3)販売実績 当年度におけるセグメントごとの販売実績は以下の通りであります。セグメントの名称金額前期比日本1,362,874百万円0.0%欧州781,005百万円13.4%オセアニア715,394百万円9.7%東南アジア66,138百万円14.4%その他26,470百万円22.9%調整額△12,459百万円-合計2,939,422百万円6.2%(注)1 調整額はセグメント間取引であります。2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、外部顧客への売上収益のうち、総販売高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容) 当年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下の通りであります。(1)重要性がある会計方針及び見積り 当社の連結財務諸表は、IFRS会計基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 6 重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。 (2)当年度の経営成績の分析① 売上収益 アサヒグループの当年度の売上収益は、前期比6.2%増、1,703億3千1百万円増収の2兆9,394億2千2百万円となりました。日本においては、外食事業からの撤退による減収影響などはありましたが、酒類事業、飲料事業、食品事業が増収となり、前期比0.0%増の1兆3,628億7千4百万円となりました。欧州においては、各国のプレミアムビールやノンアルコールビール、グローバルブランドなどが好調に推移したことで、前期比13.4%増の7,810億5百万円となりました。オセアニアにおいては、酒類事業の主力ブランドの販売減少はあったものの、飲料事業の好調などにより、前期比9.7%増の7,153億9千4百万円となりました。東南アジアにおいては、主力ブランドの販売が好調に推移したことに加え、価格改定の効果や為替変動の影響などにより、前期比14.4%増の661億3千8百万円となりました。その他においては、前期比22.9%増の264億7千万円となりました。 ② 事業利益 当年度の事業利益は、前期比8.1%増、214億4千1百万円増益の2,851億2千1百万円となりました。日本においては、原材料関連費用の増加などの影響はあったものの、価格改定の効果や各種コストの効率化などにより、前期比12.9%増の1,349億3百万円となりました。欧州においては、人件費などは増加しましたが、増収効果や各種コストの効率化を推進したことにより、前期比18.9%増の1,011億4千万円となりました。オセアニアにおいては、原材料関連の費用増加などの影響により、前期比1.7%減の1,087億9千8百万円となりました。東南アジアにおいては、固定費全般の効率化などを推進したことにより、前期比33.2%増の18億6千2百万円となりました。その他においては、前期比21.5%減の41億7千9百万円となりました。 ③ 営業利益 営業利益は、事業利益の増益などにより、前期比9.8%増、240億5千3百万円増益の2,690億5千2百万円となりました。 ④ 税引前利益 当年度の税引前利益は、営業利益の増益に加え、金融収益が前期比28.7%増、40億5千8百万円増加の181億7千6百万円となったことや、金融費用が前期比14.7%増、26億6千5百万円増加の207億8千7百万円となったことなどにより、前期比10.4%増、251億1千8百万円増益の2,669億9千万円となりました。 ⑤ 親会社の所有者に帰属する当期利益 親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益の増益などにより、前期比17.1%増、280億7百万円増益の1,920億8千万円となりました。 また、基本的1株当たり利益は126.66円(前期107.94円)となり、親会社所有者帰属持分比率は49.4%(前期46.5%)となりました。 また、事業ポートフォリオ再構築など一時的な特殊要因を除いた親会社の所有者に帰属する当期利益を算出に用いた調整後基本的1株当たり利益は120.65円(前期108.97円)となりました。 なお、当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。前年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、基本的1株当たり利益及び調整後基本的1株当たり利益を算定しております。 (3)財政状態の分析① 総資産 当年度の連結総資産は、為替相場の変動によるのれん及び無形資産を含む外貨建資産の増加等により、総資産は前年度末と比較して1,174億9千1百万円増加し、5兆4,034億5百万円となりました。 ② 負債 負債は、社債及び借入金の減少等により、前年度末と比較して907億7千8百万円減少し、2兆7,293億5千3百万円となりました。 ③ 資本 資本は、前年度末に比べ2,082億7千万円増加し、2兆6,740億5千1百万円となりました。これは、配当金支出により利益剰余金が減少したものの、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により利益剰余金が増加したこと及び為替相場の変動により在外営業活動体の換算差額が増加したこと等によるものです。 この結果、親会社所有者帰属持分比率は49.4%となりました。 また、事業ポートフォリオ再構築や為替変動など一時的な特殊要因を除いた「親会社の所有者に帰属する当期利益」及び「親会社の所有者に帰属する持分合計」を算出に用いた調整後親会社所有者帰属持分当期利益率は10.7%(前期10.3%)となりました。 (4)資本の財源及び資金の流動性についての分析① キャッシュ・フロー分析 キャッシュ・フローの状況につきましては、「(業績等の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。 また、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下の通りであります。 前年度当年度親会社所有者帰属持分比率(%)46.549.4時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%)50.446.1キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)6.23.5インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)27.525.7(注)親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/総資産時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い※ 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。※ 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。※ キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを使用しております。 ② 資金の調達 アサヒグループの資金の源泉は、主として営業活動からのキャッシュ・フローと金融機関からの借入、社債の発行からなります。当社は経営方針として、有利子負債残高の圧縮を基本として掲げておりますが、「事業基盤強化・効率化を目指した設備投資」及び「M&Aを含む戦略的事業投資」については資金需要に応じて金融債務を柔軟に活用することとしております。一方、運転資金需要については、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーでまかなうことを基本としております。 ③ 資金の流動性 当社及び主要な連結子会社はCMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しており、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことにより、資金効率の向上と金融費用の極小化を図っております。 (5)戦略的現状と見通し 2025年度は、地政学リスクはより複雑化するとともに、インフレによる経済減速リスクなどが懸念されます。そうした環境のなかで当社は、引き続き『中長期経営方針』に基づき、各地域におけるプレミアム戦略の推進やグローバルブランドの拡大展開に加えて、BAC※1への投資強化などによる事業ポートフォリオの強靭化を図ります。また、サステナビリティと経営の統合をはじめとしたコア戦略に加えて、グループガバナンス体制の一層の進化やグローバル調達機能の高度化など、各事業の総和を超える企業価値の向上に取り組みます。 日本においては、酒類、飲料、食品事業の主力ブランドの強化に加え、高付加価値商品の展開を中心とした新たな価値提案により、成長基盤の拡大に取り組みます。また、各事業の枠を超えたシナジー創出による収益性向上に加えて、人的資本の高度化、サステナビリティへの取り組み推進などにより、持続的な成長に向けた経営基盤の強化を図ります。 欧州においては、主要国におけるプレミアムビールやノンアルコールビールの強化に加えて、世界的なパートナーシップなどを活用した『Asahi Super Dry』と『Peroni Nastro Azzurro』の拡大展開により、グローバルブランドの認知度向上を図ります。また、サステナビリティの取り組みやDXを推進することにより、成長基盤を更に強化します。 オセアニアにおいては、ビールの主力ブランドを中心とした商品ポートフォリオの再構築に加え、高付加価値なRTD※2の展開などによるプレミアム化の促進、飲料事業における成長領域への参入など酒類と飲料事業の強みを活かしたマルチビバレッジ戦略を推進します。また、DXの加速やサプライチェーンの効率化による収益構造改革や、サステナビリティを重視した新価値提案などにより、事業基盤を一層強化します。 東南アジアにおいては、自社ブランドを中心とした主力ブランドへの投資強化や販売チャネルの最適化を推進し、マレーシアやシンガポールなど展開国における収益性向上を図ります。また、サステナビリティを経営の中心に据えることで、持続可能な事業基盤の構築を図ります。 なお、当社はこれまでに、日本・欧州・オセアニア・東南アジアでの4RHQ※3体制を基盤としてきましたが、2025年4月1日からオセアニアと東南アジアのRHQを統合し3RHQ体制へ変更します。オセアニアと東南アジア・南アジアでの酒類・飲料事業の統合を通じてマルチビバレッジ戦略を強化し、東アジアでの酒類事業は、日本の事業を担うアサヒグループジャパン株式会社の強固なブランド、開発力、サプライチェーンなどを活かすことで、これまで以上に競争優位性を高めていきます。※1 BAC:Beer Adjacent Categoriesの略。低アルコール飲料、ノンアルコールビール、成人向け清涼飲料など、ビール隣接カテゴリーを指します。※2 RTD:Ready To Drinkの略。購入後、そのまま飲用可能な缶チューハイなどを指します。※3 RHQ:Regional Headquarters(地域統括会社)を指します。 (6)経営者の問題認識と今後の方針について 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、この文中に記載したほか、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りであります。 (7)経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載の通りであります。
役員の状況 FY2025 / 約6,249字
(2)【役員の状況】① 役員一覧男性10名 女性8名 (役員のうち女性の比率44.4%)a.取締役の状況役職名氏名生年月日略歴任期所有株式数(株)取締役兼取締役会議長大八木 成男1947年5月17日生1971年3月帝人株式会社入社1999年6月同社執行役員2001年6月同社常務執行役員2002年6月同社帝人グループ専務執行役員2003年10月帝人ファーマ株式会社代表取締役社長2005年6月帝人株式会社常務取締役2006年6月同社専務取締役2008年6月同社代表取締役社長CEO2014年4月同社取締役会長2018年4月同社取締役相談役2018年6月同社相談役2022年3月当社監査役2025年3月当社取締役取締役会議長(現在に至る) (注)2-取締役兼代表執行役社長Group CEO勝木 敦志1960年3月17日生1984年4月ニッカウヰスキー株式会社入社2002年9月当社転籍2011年10月Asahi Holdings (Australia) Pty Ltd, Managing Director2014年4月Asahi Holdings (Australia) Pty Ltd Director, Group CEO2016年3月当社執行役員兼 Asahi Holdings (Australia) Pty Ltd, Director, Group CEO2017年3月当社取締役兼執行役員2018年3月当社常務取締役兼常務執行役員2019年3月当社常務取締役兼常務執行役員CFO2020年3月当社専務取締役兼専務執行役員CFO2021年3月当社代表取締役社長兼CEO2024年3月当社代表取締役社長兼Group CEO2025年3月当社取締役兼代表執行役社長Group CEO(現在に至る) (注)28,394取締役兼執行役Group CPO谷村 圭造1965年8月11日生1989年4月当社入社2016年4月当社理事人事部門ゼネラルマネジャー2017年3月当社執行役員人事部門ゼネラルマネジャー2018年9月当社執行役員グローカルタレントマネジメント担当2019年3月当社取締役兼執行役員2020年3月当社取締役兼執行役員CHRO2023年3月当社取締役EVP兼CHRO2024年3月当社取締役EVP兼Group CPO2025年3月当社取締役兼執行役Group CPO(現在に至る) (注)215,369取締役兼執行役Group CFO﨑田 薫1966年3月3日生1988年4月当社入社2016年4月当社理事調達部門ゼネラルマネジャー2018年3月当社執行役員調達部門ゼネラルマネジャー2020年4月当社執行役員Head of Procurement2022年3月当社取締役兼執行役員CFO2023年3月当社取締役EVP兼CFO2024年3月当社取締役EVP兼Group CFO2025年3月当社取締役兼執行役Group CFO(現在に至る) (注)21,017 役職名氏名生年月日略歴任期所有株式数(株)取締役福田 行孝1963年5月20日生1986年4月東洋エンジニアリング株式会社入社2001年10月当社入社2012年9月当社財務部門ゼネラルマネジャー2015年3月当社執行役員財務部門ゼネラルマネジャー2017年3月アサヒプロマネジメント株式会社代表取締役社長2022年3月アサヒグループジャパン株式会社監査役2023年3月当社常勤監査役2025年3月当社取締役(現在に至る) (注)23,441取締役大島 明子1968年10月17日生1991年4月当社入社2018年1月当社経営企画部担当部長2022年4月当社Strategy Senior Officer2023年4月当社Executive Officer, Head of Internal Audit2024年3月当社常勤監査役2025年3月当社取締役(現在に至る) (注)22,196取締役佐々江 賢一郎1951年9月25日生1974年4月外務省入省2002年3月経済局長2005年1月アジア大洋州局長2008年1月外務審議官2010年8月外務事務次官2012年9月在アメリカ合衆国駐箚特命全権大使2018年6月公益財団法人日本国際問題研究所理事長兼所長2020年12月同法人理事長(現在に至る)2022年3月当社取締役(現在に至る) (注)2-取締役大橋 徹二1954年3月23日生1977年4月株式会社小松製作所入社2004年1月コマツアメリカ株式会社社長兼COO2007年4月株式会社小松製作所執行役員2008年4月同社常務執行役員2009年6月同社取締役兼常務執行役員2012年4月同社取締役兼専務執行役員2013年4月同社代表取締役社長兼CEO2019年4月同社代表取締役会長2022年3月当社取締役(現在に至る)2022年4月株式会社小松製作所取締役会長(現在に至る) (注)2-取締役松永 真理1954年11月13日生1977年4月株式会社日本リクルートセンター(現株式会社リクルートホールディングス)入社1986年7月同社「就職ジャーナル」編集長1988年7月同社「とらばーゆ」編集長1997年7月エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社(現株式会社NTTドコモ)ゲートウェイビジネス部企画室長2000年4月松永真理事務所代表(現在に至る)2023年3月当社取締役(現在に至る) (注)2- 役職名氏名生年月日略歴任期所有株式数(株)取締役佐藤 千佳1962年1月23日生1982年4月住友電気工業株式会社入社1996年7月GE株式会社(現日本GE株式会社)入社2011年9月日本マイクロソフト株式会社執行役人事本部長2016年9月ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社日本・ノースアジア人事統括2018年4月日本電気株式会社執行役員カルチャー変革統括部長2019年4月同社シニア・エグゼクティブ人材組織開発部長2022年4月同社人事総務部門コーポレートエグゼクティブI&D推進リーダー2023年4月同社ピープル&カルチャー部門Chief Diversity Officer(現在に至る)2024年3月当社取締役(現在に至る) (注)2-取締役メラニー・ブロック1964年4月10日生2003年3月株式会社AGENDA(現株式会社Melanie Brock Advisory)代表取締役(現在に至る)2010年3月豪日交流基金理事会役員2010年4月豪日経済委員会理事会役員(現在に至る)在日オーストラリア・ニュージーランド商工会議所会頭2010年10月豪州食肉家畜生産者事業団駐日代表2012年12月オーストラリアン・ビジネス・アジア会長2016年11月在日オーストラリア・ニュージーランド商工会議所名誉会頭(現在に至る)2019年7月豪日研究センター理事会役員(現在に至る)2024年3月当社取締役(現在に至る) (注)2-取締役田中 早苗1962年7月15日生1989年4月弁護士登録1991年9月田中早苗法律事務所代表(現在に至る)2023年3月当社監査役2025年3月当社取締役(現在に至る) (注)23,300取締役宮川 明子1955年10月18日生1978年4月チェース・マンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース銀行)東京支店入行1987年11月監査法人丸の内会計事務所(現有限責任監査法人トーマツ)入所1998年5月公認会計士登録2000年1月デロイトUSロサンゼルス事務所参加2005年6月有限責任監査法人トーマツパートナー2008年7月デロイト台湾台北事務所参加2015年10月有限責任監査法人トーマツ東京事務所参加2018年8月宮川明子公認会計士事務所代表(現在に至る)2025年3月当社取締役(現在に至る) (注)2-計----33,717(注)1 取締役大八木成男、佐々江賢一郎、大橋徹二、松永真理、佐藤千佳、メラニー・ブロック、田中早苗及び宮川明子の8氏は、社外取締役であります。2 2025年3月26日就任後、1年以内に終了する事業年度に関する定時株主総会終結の時まで。 3 当社は、経営と執行を分離して取締役会の強化を図るとともに、業務執行における意思決定のスピードアップを図るためCxO制度を導入しております。対象となるポジションは以下のとおりであります。詳細は、「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制」をご参照ください。CEO:Chief Executive Officer、CFO:Chief Financial Officer、CPO:Chief People OfficerCGO:Chief Growth Officer、CR&DO:Chief Research & Development Officer、CSO:Chief Sustainability Officer b.執行役の状況役職名氏名生年月日略歴任期所有株式数(株)取締役兼代表執行役社長Group CEO勝木 敦志1960年3月17日生「a.取締役の状況」に記載している。  (注)18,394取締役兼執行役Group CPO谷村 圭造1965年8月11日生「a.取締役の状況」に記載している。  (注)115,369取締役兼執行役Group CFO﨑田 薫1966年3月3日生「a.取締役の状況」に記載している。  (注)11,017執行役CorporateSecretary西中 直子1965年8月11日生1988年4月当社入社2016年4月当社理事兼アサヒグループ食品株式会社品質保証部長2017年4月当社理事品質保証部門ゼネラルマネジャー兼アサヒプロマネジメント株式会社品質保証部長2018年3月当社執行役員品質保証部門ゼネラルマネジャー兼アサヒプロマネジメント株式会社品質保証部長2020年3月当社常勤監査役2024年3月当社取締役2025年3月当社執行役Corporate Secretary(現在に至る) (注)13,903執行役Group CGO朴 泰民1964年1月25日生1991年4月株式会社日立製作所入社2003年4月株式会社ルネサステクノロジ(現ルネサスエレクトロニクス株式会社)入社2005年7月当社入社2015年4月当社理事Asahi Group Holdings Southeast Asia Pte. Ltd., Director2016年3月当社理事企業提携部門ゼネラルマネジャー2017年3月当社執行役員企業提携部門ゼネラルマネジャー2019年3月当社取締役兼執行役員2020年3月当社取締役兼執行役員兼CAO2023年3月当社専務執行役員CGAO2024年3月当社SEO, Group CGO2025年3月当社執行役Group CGO(現在に至る) (注)1183執行役Group CR&DO佐見 学1964年12月2日生1989年4月当社入社2014年9月当社研究開発部門ゼネラルマネジャー2017年3月当社執行役員研究開発部門兼知財部門ゼネラルマネジャー2018年9月当社執行役員研究開発部門兼知財部門ゼネラルマネジャー兼R&Dセンター長2019年4月アサヒクオリティアンドイノベーションズ株式会社代表取締役社長2024年3月当社SEO, Group CR&DO2025年3月当社執行役Group CR&DO(現在に至る) (注)13,672 役職名氏名生年月日略歴任期所有株式数(株)執行役Group CSOドラホミラ・マンディコヴァ1972年4月30日生1992年1月Economist, Investicna a rozvojova banka2000年1月Corporate Affairs Manager, SAB Miller2010年8月Director of Corporate Affairs and Communication, Czech and Slovak Republic, Plzensky Prazdroj2017年4月Corporate Affairs Director Central Europe, Member of Board Plzensky Prazdroj Slovensko2020年1月Corporate Affairs Director, Asahi Breweries Europe Group, Member of Board Plzensky Prazdroj Slovensko2020年8月Corporate Affairs Director, Asahi Europe & International,2020年11月Chief Corporate Affairs Officer, Asahi Europe & International2024年3月当社SEO, Group CSO2025年3月当社執行役Group CSO(現在に至る) (注)1-執行役Senior Vice President北川 亮一1963年6月29日生1987年5月北海道アサヒビール株式会社入社1993年9月当社転籍2013年4月当社理事企業提携部門ゼネラルマネジャー2013年5月当社理事企業提携部門ゼネラルマネジャー兼国際部門ゼネラルマネジャー2013年9月当社理事企業提携部門ゼネラルマネジャー2014年3月当社執行役員企業提携部門ゼネラルマネジャー2016年3月当社取締役兼執行役員2017年3月当社常務執行役員(欧州担当)2021年3月当社常務取締役兼常務執行役員兼CFO2022年3月当社専務執行役員2024年3月当社SEO2025年3月当社執行役Senior Vice President(現在に至る) (注)114,343計----46,881(注)1 2025年3月26日就任後、1年以内に終了する事業年度に関する定時株主総会終結の時まで。2 当社は、経営と執行を分離して取締役会の強化を図るとともに、業務執行における意思決定のスピードアップを図るためCxO制度を導入しております。対象となるポジションは以下のとおりであります。詳細は、「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制」をご参照ください。CEO:Chief Executive Officer、CFO:Chief Financial Officer、CPO:Chief People OfficerCGO:Chief Growth Officer、CR&DO:Chief Research & Development Officer、CSO:Chief Sustainability Officer ② 社外役員の状況 「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ⑦ 社外取締役」に記載の通りであります。 ③ 社外取締役による監督又は監査と内部監査、及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係 「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ⑥ 内部監査及び監査委員会監査の状況」に記載の通りであります。

※ 出典: EDINET DB API より取得した有価証券報告書(2025年度)。 全文は 金融庁 EDINET でご確認ください。